華族会議⑥
「何言ってんのよ。唯一のMVPの称号所有者で、誰に聞いてもNO.1プレーヤーって答えられるくらいのキャラクター育てておいて。
私正直言って一真君がここまで本気でゲームしていて、有名だとは思わなかったわ。
多分私が一真君に勝つことなんて一生無理なんじゃないかな」
そう言って朝霧さんはおかしそうに笑った。
褒められて、つられて俺も笑ってしまう。
「いい笑顔で笑えるようになったじゃない、一真君。
身の回りのこともう大丈夫そうね。初めて会った時とは比べ物にならないくらい明るいし。これもバイトの影響かな」
「はい。その節は色々とありがとうございました。
おかげさまでとりあえず生きて行けるだけの生活は送れるまでになりました。
掃除とか洗濯とかまだまだだし、自炊とかもできてなくて、底辺ですけど。でも頑張って生きてます」
そう言うと朝霧さんはまた可笑しそうに笑った。その笑顔を見ると心があったかくなってくるのが分かって嬉しくなる。
「底辺って何よ。
コンビニの店長さんがお弁当タダでくれたりしてるんでしょ。感謝しなくちゃ。
…ところで、斎藤課長はやっぱりまだひきこもってるのかな?」
さっきまでの笑顔が消えて真顔になる。
「未だに外には出てきてないです。毎日必要な物リストが部屋の外にお金と一緒に置いてあるので、生きているのは分かるんですけど、お風呂とかトイレは俺がいない間に済ませてるみたいで、1回も会ったことはありません」
そう言って肩を落として朝霧さんの方を見ると、朝霧さんはまた元の笑顔に戻っていた。




