華族会議⑤
そう言ったこともあり、今回のクエストは俺にとって二つの意味で極めて重要なイベントとなった。
一つは伝説のプレイヤーアムジャックとのパーティを組めるということ。そしてもう一つは父さんかもしれないプレイヤー『マコト』の動向を探ること。
この二つが同時に達成できるのだ。そう考えると今から待ち遠しくて、色々な感情が湧きあがってくる。
とりあえず今は、クエストに必要になるであろうアイテム類を一通り揃えておいて、その時を待つことにしよう。
「……ってことになったんですよ」
前と同じ喫茶店、前と同じ席で、前よりも軽快に、俺は朝霧さんに事の顛末を説明していた。
「そうなんだ。その、アムジャックって人のすごさは全然分からないけど、せっかく一真君と一緒にクエストできるかもしれない、いい機会だったから残念ね」
朝霧さんが少し悔しそうな顔をしてはにかむ。はにかんだ顔も素敵だと思う。
「でも私も仕事しながらだけど結構頑張ってギルワやってるのよ。
称号はまだ取れないけど、同一サーバーの月間ランキング47位を取るくらいには成長しているのよ」
そう言って誇らしげな顔を作る。
経験していないと分かりにくいが、初心者から始めて同一サーバー内で47位を取るということは結構な努力と才能が伺える。
例えるなら高校からバスケを始めた人が強豪バスケ部に入って3カ月でレギュラーを勝ち取るくらいの価値のある成績だ。
「とんでもない実力ですね。
こりゃあいつか朝霧さんに抜かれる日が来るかもしれないなぁ」
そう言って少しおどけた表情を作る。こんな小粋な話ができるのも朝霧さんのおかげだ。




