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賢くない賢者と勇気のない勇者⑪

「ありがとう」


と言っておばさんはお店を去って行った。


どうやら花田さんは俺が袋詰めすることを忘れて困っているのを見越して、代わりに袋詰めをしてくれたようである。


流石頼りになる先輩だ。


「ありがとうございます」


俺が素直にお礼を言うと


「まあ最初にしては合格かな」


と花田さんはまるで担任の先生のような態度で俺の最初の業務を評価した。


しかしその態度には嫌味な部分は無くて、素直に受け入れられる。


「色々ありがとうございます」


俺は素直に助けてくれたことや、教えてくれたことなど色々なことにお礼を言った。


「これでもう私の方から教えることは何も無くなったかな。後は経験を積んでスキルアップしていってね。」


「えっ、もうこれで教えてもらえるのがおわりなんですか? 何かもっとコツとかアドバイスが欲しいです」


俺は焦って問い詰める口調で言ってしまう。


「うーん。私もまだ2年しか働いていないし、斎藤さんよりも年下だろうから、あんまり偉そうなことを言いたくないんだけど……


そうだ。一つだけ先輩としてのアドバイスをしておくわ。


これだけは覚えておいてほしい、私が仕事をする時に意識していること。


『必要なのは勇気と賢さ』


ってこと。


勇気をもってお客様と向き合えば堂々と立ちふるまえるし、賢さがあればどんな困難でも打開して乗り越えることができると思うの。 


斎藤さんはどちらも持ち合わせているように私には見えるから、自分に自信を持って行動すれば何だってできちゃうんだから大丈夫ですよ」


花田さんは右手の親指と人差し指で大きな丸を作ってOKサインを出した。


俺は花田さんに認めてもらえたことに嬉しくなって、同時に気恥かしさで顔が赤くなり俯いてしまう。


でも、これから頑張ろうってやる気が湧いてくるのが分かった。


ピンポーンと入店のインターフォンがなり、またお客さんが来たようだ。


俺はレジで次のお客様が来るのを楽しみに待つことができた。

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