賢くない賢者と勇気のない勇者③
俺としては朝霧さんにギルワの魅力を伝えられるし、メールだと居ない時でもメッセージが残せるし、気軽に会話できるしで、とても都合が良くて助かる。
それにしても『父さんに会ったら』って、やっぱり気にしてくれて優しい人だと改めて思う。
すぐに返事を書くが、これから仕事ということなら、目に留まるのはしばらくしてからになるだろうな。
「しょーこさんへ
そんなにかしこまらなくてもいいですよ。
普通のメールと同じです。キャラクターのコスチュームは職業や武器、防具、など色々な要素で変わってきますし、有料のものと無料の物ででも変わってくるので、結構難しくて奥が深いです。
こだわり出すと止まりませんよ。(笑)
簡単には説明できないので、またパーティを組んでイベントに一緒に参加した時にでもじっくり説明します。
とりあえずしょーこさんがギルワの世界に早速入ってきてくれてとても嬉しいです。
これからもっともっとギルワの魅力を知って、世界観にどっぷりと浸かってくれたら幸いです。
いくらでも説明しますので、分からないことは何でも聞いてくださいね。
かじゅまより」
朝霧さんがギルワにハマりますように、そう心を込めて送信する。
メールを送信し終え、ふと時計に目をやる。
9時55分。
そろそろ11時の出勤に備えて用意を整えないといけない時間だ。
心拍数が少し上がるのがわかる。
昨日の説明では印鑑だけ持っていけば、後は特に持ち物は必要ないとのことだったが、改めて出勤前となると、服装から髪型から靴から何から全てが気になりだす。




