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大作RPGに割とある過去編㉙

整理できない感情を解放する術もなく、俺はただひたすらに目的もなく歩き回っていた。


どこをどう歩いたのか覚えていないが、気がつくと俺は街中にいた。


多分街中の人ごみや喧噪が俺の気持ちを少しでも紛らわせてくれるという期待が、心のどこかで働いたのだろうと思う。


すれ違う人達の無関心や雑踏が


「あなたとは関係ありません」


と突き放しているようで、その時の俺にはとても心地良かった。


しばらく歩いてふと足を止める。


きらびやかな街の中でも一際輝くネオンと、ひっきりなしに出入りする若者たちが街の中心はここです、と教えてくれているようで気になった。


きらびやかな装飾で彩られた外観を見上げるとネオンサインで店の名前が大きく書かれていた。


『ゲームセンター アミューズ』


なるほど、とすぐに合点がいった。


最近は勉強に忙しく気にすることもなかったが、昔は何回かゲームセンターには入ったことがあるから、そこがどんなに若者にとって心地よくワクワクした気分を楽しませてくれるかも知っている。


だからこれだけ流行っているのか、と一人納得する。それと同時に興味が湧いてくる。 


昔と比べて今のゲームは進化のスピードが速い、とニュース番組で特集が組まれていたのを思い出したからだ。


俺の行った時と比べてどれくらい変わっているのか、どんなゲームが若者を引き付けているのかなど、どうでもいいことが気になった。いや、むしろわざとそう思うことで今のやり切れない気持ちを少しでも忘却してしまいたかったのだろうと思う。


久しぶりの入店で場違いなんじゃないかという気持ちがあり、少しの緊張を持って中に入ると、中は暗めの照明で青みががかったオシャレなダウンライトが、不思議な高揚感を演出していた。

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