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大作RPGに割とある過去編㉘

俺は考えた。美咲ちゃんとお母さんをもう一度見て考えた。


俺がこの家に来た理由は何も田村君の死を悼んで、田村君の家族を慰めるために来たわけじゃない。


いや、それとは間逆に田村君の死の真相、すなわちカンニングとそれに関わるいざこざについて包み隠さず話して、学校や俺のもたらした罪を断罪してもらうつもりだったのだ。


ところが今、目の前で俺のことをいたわってくれる美咲ちゃんや田村君の死を受け入れきれず放心しているお母さんを見ていると、その決意が鈍ってくる。


もし本当のことを話した時に、この人達にどんなことを言われるのだろうか?


そして俺はそれにたえられるのだろうか?


そんな不安が心の中に湧きあがってきて、重要な決意を鈍らせてくる。


結局俺も中島先生と同じように自分の罪を隠したい、責めらたくない、という保身に走る情けない最低の人間だったのだ。


全然中島先生を責められる立場じゃない。本当に最低の人間だ。


そう自分でわかっていても正すことが出来ず、肝心なことを話す勇気が湧かず、ただ立ち尽くすしかできなかった。


結局俺は最後まで勇気が湧かず、お悔やみの言葉を言いに来たという名目で、田村君の家を辞することになった。


最後まで俺のことに感謝して、涙まで流してくれた美咲ちゃんや、立ち直る様子さえ見れなかったお母さんの姿を俺は一生忘れることができないだろう。


そして、この時本当のことを打ち明けられなかったことを俺は一生後悔し続けて行くのだろう。


俺の胸の中は自分の意気地のなさに対するいらだちと、本当のことを言えなかった悔しさと、田村君の恨みの深さを知った恐怖と、田村君を失ったことへの悲しみでぐちゃぐちゃになっていた。

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