華族会議㉒
そう結論に行きついた所に二の矢が放たれる。
「一真。お前が学校に行かなくなって、ゲームにはまった時、俺は本当にどうしていいか分からなくなった。
だからお前の気持ちを知るために、お前がハマっているこのギルティワールドを始めたんだ」
少しずつ語り始めるアムジャック。
確かに一真という字は合っているし、ひきこもりと言うのも当たっているけれども、俺のハンドルネームKajuma@17から想像して当てたのかもしれないし、ひきこもりだって俺のプレイスタイルを見れば容易に想像できることだろう。
まだ信じられない。いや信じたくないのかもしれない。
そんな気分の俺を尻目に、アムジャックは更に語りを続けて行く。
「お前の見ている景色、考えていることを少しでも知りたくて、プレイ時間は仕事があるから夜だけに限られたが、時間の許す限り頑張ってプレイしてきた。
お前が伝説と言われるくらいすごい実績を持っているというので、父さんも同じくらいの実績を取るために必死で頑張った。
お前の考えていることが分かったら、コンタクトを取ろうとも考えていたんだが、5年間色々な称号を取ったり、実績を作るだけのプレイをしても、お前の考えていることが分からなかった。
だから一度もコンタクトを取ることができなかったんだ。
それで、もっと真剣にギルティワールドと、一真と向き合うために会社を休んで真剣にプレイすることにしたんだ」
5年間って期間も、会社を休むってところも合ってる。
本当にこの人父さんなんだ。
「そうして本当に真剣にプレイしていたところにこの『華族会議』というクエストがあるという話が入ってきた。
それで本当はダメなんだが、父さんの旧知の友人にギルティワールドの運営を企画している人がいてな、その人に内容を事前に少し教えてもらっていたんだ。
キャラデリートが発生すること、その条件が話し合いで一人を決めることって所まで。
それで、『これだ』って思ったね。
一真がリアルでコンビニのバイトを始めたり、頑張っていた分父さんも自分の納得できるところまでギルティワールドと向き合うことができた。
だから今回のクエストで一真とトコトン真剣に同じ視点で話合うことができるんじゃないかと思ったんだ。
だから満を持して今回のクエストに一緒に参加するようにコンタクトを取った。
まさか協力してもらっているMakotoのことを父さんだと勘違いしているとは思わんかったけどな」




