華族会議⑱
しばらく席に着いたまま呆然となるプレイヤー達。
俺もいきなりの説明に正直面食らった。
事前にキャラデリートがあるとは聞いていたけど、まさか勝負でも謎解きでも無く、話し合いだけで追放を決めて、キャラデリされるなんてぶっ飛び過ぎだ。
あまりのことにショックは受けたが、タイムアタック中の出来事だから早く受け入れてどうするか決めなくてはいけない。
俺の答えは『参加』だ。
もちろん、せっかく育て上げた伝説的とまで言われるアバターを簡単には手放したくないから、この選択は冷静に考えたら馬鹿げた選択なのかもしれないけど、話を聞いた時から直観的にすぐに参加を決めていたんだと思う
それは、俺が他の参加者に負けるわけが無いという『自信』から来るものと、せっかくこのメンバーで挑んだクエストを最後までやり遂げて『華族』の称号を得たいという『欲求』それに、もしMakotoが父さんなのだったら、この話し合いというミッションはそれをちゃんと見極めることが出来る『チャンス』という気持ちに裏付けされての物だった。
メッセージウインドウの中の『参加』のボタンを躊躇い無く押してから、他の参加者の動向を窺う。みんなそれぞれ窺い知れない葛藤の中で選択を迫られているのだろう。俺は参加に決めたが、もし他の誰かが一人でもドロップアウトを選んだとしても、それは別に間違った選択では無いと思うので、責めずにいてあげようと思う。
ただ黙って今回のクエストはあきらめることにしようと思った。
そんなことを考えているとメッセージウインドウが新しい物に切り替わった。
「パーティ全員の参加が確認できましたので、ミッション『華族会議』を始めさせていただきます。タイムアタックの性質上決まらない事はないと思いますが、失敗=キャラデリートである以上、制限時間を設けさせていただきます。
制限時間は30分です。
30分以内に全員の合意によって、それぞれがこのメッセージボックス内から追放する者の名前をご入力下さい。
もし、統一した名前がいただけ無かった場合には多数決とはならず、ペナルティとしてパーティ全員のキャラデリートになりますのでご容赦下さいませ。
それは制限時間内に決まらなかった場合にも同様のペナルティとなりますのでご注意くださいませ。
それではただ今より『華族会議』スタートでございます」
メッセージウインドウが消えると同時に画面の端に30分を数えるタイマーがカウントダウンを始めた。




