9.恋心
アンネルは王太子が去った後も、胸の激しい鼓動を抑えるのに必死になっていた。
何故、王太子はあんなにも自分にちょっかいをかけてくるのか…
自分のどこがいいのだろう。自分の見た目は両親のおかげで恵まれている方だと思うが、性格は最悪だ…。貴族の令嬢達のように、ドレスで自分を着飾ってお茶会に参加していないため、人望はない。
外見しか取り柄がないのだ…。
我ながら悲しくなる…。でも、寝ることは大好きだし何もやりたくない、一生だらけて暮らしていきたいのだ。この思いはきっと変わることはないだろう。
だけど、何故か王太子のことを考えてしまう。
大好きだった寝ることも、王太子のことを考えてしまい寝れなくなってしまう。
この思いは何だろう…。考えても考えても分からない。
王太子のことを考えると胸が暖かくなる。
この不思議な感情がわからずに戸惑っていると、
ドアがノックされた。
「お嬢様、リジーです!お茶をお持ちしましたよ。」
「わかったわ、今開けるわね。」
「今日はリラックス効果のあるハーブティーをお持ちしました!」
リジーは嬉しそうにハーブティーを注いでくれる。
「お嬢様、どうかなさいましたか?」
私がいつもと様子が違うことに気付き、心配してくれているみたいだ。
リジーになら、相談してもいいかな…。
「ねぇ、リジー…。ある人のことを考えると胸が暖かくなったり、ドキドキしたりするの…。何故かわかる??」
リジーは驚いたように目を丸くして、ピタッと固まっていた。
もしかしたら私は何かの病気にかかってしまったのかもしれない…。
そんな不安が押し寄せて来てぐるぐると考えていると、優しい声で
「お嬢様、大丈夫ですよ。それは自然なことです。その人に対して特別な感情を抱いているということですよ。」
とリジーが答えてくれた。
特別な感情…。今まで誰一人に対しても抱いたことがなかったような感情だ。家族にも、リジーに対しても…。
「そう、なのね…。難しいわ、私には持つことの無い感情だと思っていたわ。」
本で読んだ恋物語。読んだ時は、主人公が抱いていた特別な感情を理解することはできなかったけれど、今ならわかる気がする。
だけど、わかりたくは無かった。私は自由を求めていたのだ…。自由に暮らすためにはこんな感情邪魔でしかない。他者に気を取られていては、だらけてなどいられないだろう…。
「お嬢様、私はとてもうれ」
「この感情を無くすわよ!婚約破棄計画はその後ね…よし、自由な生活のためにやり遂げるわ!」
リジーの言葉を遮って、堂々と恋心をへし折る宣言を発表した。リジーは心底驚き、とても落胆した様子だったが、そんなことを気にする暇はない。
早々に取り掛かろうと奮起している私をリジーは悲しく見つめていた。
「これは厄介なことになったな…。ククッ、ハハハッ!王太子に今の出来事を報告したらどんな顔をするのか見物だけれど、そのまま伝えるのは俺のクビが吹っ飛びそうだなぁ…。どうすっかなぁ…。」
アンネルとリジーの会話を密かに聞いていた男がいた。バルコニーの影に身を潜めていたため、アンネルとリジーからは姿が見えていない。
表現や書き方などが拙く、まだまだ未熟な文章ではありますが読んでいただけてとても嬉しく思います!
読んでくださっている読者様のためにも頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願いします!
アンネルがどんどん普通の人間らしく、女の子らしくなっていくので、見守っていっていただけると幸いです。




