三度目の舌打ち
龍斗は顔をそらしたが、目線は桜花に釘付けだった。
だが、桜花は相変わらず女子や男子を口説き落としており、こっちには見向きもしない。
本日三度目の舌打ちをした。
「龍斗くんって…桜花ちゃんのこと好きなの……?」
まさに寝耳に水だった。
「は………………?」
龍斗が美玲の方を見た。「何を言っているんだコイツは」という目で。
「…………………え?」
美玲も「何を言っているんだコイツは」という目で見た。
「……誰が誰を好きだって?」
「だから、龍斗くんが桜花ちゃんを」
龍斗は、自分を指差したあと、桜花を指差した。
美玲はうんうん頷いている。
「……は……………はぁぁぁぁぁあああぁぁぁぁ!?!?!?お……おまっ……何言って………!!!!」
クラスメイト全員が大声を上げ、顔を真っ赤にした龍斗の方を見た。もちろん桜花も。
「うわぁ、鼓膜破れた…」
美玲がわざとらしく耳を塞いだ。
「…なんの騒ぎ?」
桜花が首を傾げた。
「なッ………ななッ……なんでもねぇ………!!!!」
あからさますぎる返答に、桜花は「………ふーん」と、さもつまらなさそうに言った。
「ッ…………!!!!」
美玲にあんなことを言われたため、龍斗は意識してしまい赤かった顔をさらに赤くした。
「……なに?」
桜花が訝しげにこちらをみた。
龍斗は、こっち見てんじゃねー!!!!と、内心めちゃくちゃ思っている。
そんなことを思っているなんて桜花には分かるはずもなく、龍斗に近づいた。




