12 剣聖の復活
3章12話です
アベルとリリはついに大聖堂の最下層に到着した。
「この階層のどこかに魔力を集めているところがあるはず…」
「にしても、何もありませんね。あるとしたらフレーシア像くらいでしょうか。」
どうしようかな。
あまり探すのに手間取ってられないんだよな。
この子も衰弱しかけてるし、早く休ませてあげたい。
_その時
「ここまでたどり着いていたのですか。」
なんだ、このおっさん。
いや、どこかで見たことがあるぞ。
そうだ!こいつ、トーマスとかいう副司教だ。
俺たちを追ってきたのかな。
「そっちもずいぶん遅かったじゃないか。それになんだ。その変なマスク。」
「これは魔力中毒にならないようにするためのマスクだ。そこのリリが無事なのはわかるとして、貴様はなぜ平気で立っていられる?魔力中毒になったら歩くこともままならなくなるのだが。」
あーなるほど。
聖教の人間だからって魔女の力を持っているとは限らないわけね。
「リリ、下がってて。危ないから。」
なぜ魔力中毒にならないかは黙っておこう。
クラウスの時みたいに正体バレしたくないし。
「答える気はないようだな。まあ良い。捕らえて吐かせるまで。」
杖で戦うわけね。
遠距離タイプか。
俺は抜刀した。
刹那、トーマスの杖から無数の魔力弾が飛んでくる。
「風魔法か。」
「いかにも。」
距離詰めにくいな。
なんかこいつ俺よりも若干魔力量多いしやりにくい。
「だったら・・」
俺は魔力斬を飛ばし風魔法をかき消した。
さらに剣から魔力を放出し、それをトーマスに向かってぶん投げた。
「何をして…」
動揺するトーマスに対し俺は一瞬で距離を詰め、こぶしに魔力をためてトーマスの顎にアッパーをかました。
「歯を食いしばれ、くそじじぃ!」
「ぎゃあああああ」
トーマスは回転しながら宙に舞った。
「今際の際に教えてやる。俺はエペノアール、リーダー、アーレフだ。」
かっこよく決まったかな?
「まだだあああああ」
なんかこいつ自棄になったな。
また風魔法出してくるし。
ん?
まずい。
トーマスが魔法を放った先にはリリがいた。
「リリー!」
まずい。
あんなかわいい子を死なせるわけにはいかない。
そう思った時、
バシュン
リリが紫色の閃光を放ってトーマスの魔法を相殺した。
もんげー!
あの子、戦えたのかよ。
てか、意図的に魔女の力使えんの?
てことは完全に俺の先輩になっちゃうじゃん。
「あなた方の実験のせいで魔女の力を使えるようになったこと、気が動転していて、忘れていたようですね?」
リリ、ブチ切れてんな。
そりゃそうだ。
あんな過去、聞いてるこっちが辛かったわ。
「おのれ、おのれぇぇぇぇ!‥‥だが死ぬのは貴様らだ。」
「何を言っている?貴様では勝てない。分かっているだろう?」
「ああ。だから戦うのは私ではない。」
その時、いきなり鳥肌が立った。
直感で何かあると確信した。
やめさせなければ。
「もう遅い。」
トーマスが懐から小型のアーティファクトを取り出し魔力を込めると、そこには剣聖フレーシアの姿があった。
俺は死が迫っていることに気づいた。
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