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9 何事にも限度はある

三章9話です!

「着いた!」


その頃、アベルとシュリエッタは大聖堂に到着していた。


「本当に誰も居ませんね。」


「逆に怖くなってきた…」


アベルは門番くらいは居るだろうなと思っていたのに門番すら居なかったのだ。

罠としか思えない。


「慎重に行こう。」


「はい。」


2人は大聖堂の奥へ足を運んでいった。


* * *


「オオオオオオオオオ」


猛々しい雄叫びを上げながらハイネスがルブラン達に牙を剥く。


「ルブラン、これヤバいでしょ…。」


ハイネスの攻撃は強力で、一撃でゆかが消し飛んだ。

マーガレット達は躱すことで何とかしているが、長くは持たないだろう。


「俺が隙を作る。マーガレットはトドメを刺してくれ!」


「わかったわ。死んだら殺すわよ!」


そして、ルブランがハイネスに攻撃を仕掛ける。


ルブランは剣から魔力を放出し、

魔力斬を放った。

だが、ハイネスに当たりこそしたものの、致命傷には至ら無かった。


「魔力斬か…ここまで出来るやつを殺すのも惜しいな…。」


そういいながらハイネスの傷が塞がっていく。


「なっ!?」


ルブランは信じられなかった。

今の回復は魔法によるものではなく、自動再生だった。


「血による恩恵が肉体強化と魔力増幅だけだと思うなよ?再生能力も手にすることができるのだ。」


「限度はあるだろう。」


ルブランは動揺を隠しながらハイネスに詰め寄る。


ギィィィン


ルブランの剣をハイネスが受け止める。


「その歳で動揺を隠せる精神力は見事。だが、少し魔力が揺らいでいるぞ。」


ハイネスはルブランの剣を折った。


しかし、ルブランは臆せず攻めに行く。

凄まじい2人の戦闘が始まる。

2人の剣圧で周囲の空気が揺らぎ、魔力の波動で壁や床にヒビが入っていく。


「はああああああああ」


「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛」


ルブランの肩をハイネスがかすめ、ハイネスの頬をルブランのがかすめる。

実力は互角。

だが、再生能力がある分、ハイネスが優勢になっていく。

ルブランがどれだけハイネスに傷をつけてもハイネスには痛くも痒くもない。

だが、ハイネスの攻撃は確実にルブランにダメージをあたえている。


刹那、ルブランの突き技を紙一重でハイネスが躱し、ルブランの右肩から左脇腹かけて斬った。


「ガフッ…」


ルブランは吐血した。


「致命傷ではない。貴様がもし教団に入るなら命は助けてやろう。ん?」


すると、突如、ルブランが剣をハイネスに向かって投げた。

しかし、ルブランはそこで倒れた。

ハイネスは剣を弾いた。


「無駄なあがきを…」


ギィィン


「貴様らの作戦は知っている。男の方が助攻なのだろう?」


そう言ってマーガレットの攻撃を止めた。


「チッ」


そしてマーガレットとハイネスの打ち合いが始まる。


「さっきの男の方が強かったぞ?」


「そうやって余裕ぶるのもの大概にしなさい!」


そう言ってマーガレットは剣に火魔法を纏わせた。


「属性魔法を剣に纏えるのか…お前も優秀なようだ。」


マーガレットは剣神祭では使わなかった。

なぜなら、奥の手だったからだ。


「はああああああああ!」


業火を上げながらハイネスに襲いかかる。

そしてハイネスの一撃を躱し、ハイネスに斬りかかった。


だが、ハイネスの肉が骨に届かない。

魔力操作と筋肉でハイネスが剣を止めたのだ。


「なっ!?」


「なかなか良かったがここまでだ。」


そういった時、マーガレットは不敵に笑い、ハイネスを羽交い締めにした。


「何のつもりだ。」


「わざわざ自分から動けないようにしてくれてありがとう。」


ハイネスが振り返ると倒れたはずのルブランが剣を振りかざしていた。


「まずい…」


抜け出そうとするもマーガレットの剣がくい込んで動けない。


「ガァァァ!」


ルブランの渾身の一撃でハイネスは左肩を裂かれた。


ハイネスは何とかマーガレットを押しのけるも、傷が深く、よろめいている。


「まだ、まだだアアア!」


ハイネスは魔女の血を全て飲み込んだ。

しかし、体が耐えきれずに崩壊した。


* * *


「大丈夫かしら?」


「大事には至ってないよ。一応回復魔法も使えるしね。」


「なら良かったわ。しかし、どうしましょう。私達、もうそんなに魔力が残ってないわよね。」


「捧げた魔力の送り先だけでも確認して帰ろう。」


そういった矢先、


「貴様らに帰り道などない。」


アルヴィースが立っていた。



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