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1 ずっと待ってるから・・・

3章開幕です!

久しぶりにラヴァンデ登場!

次回からはアベル視点に戻ります。

次話の投稿は18時40分投稿予定!

アベルがエペノアールを結成して3日たったころ、ラヴァンデは聖教の地下牢にいた。


「聞いたか、クラウスがやられたらしい。」


「ああ。どこの誰がやったのだろうか。彼はかなりの実力を持っていたはずだが。」


きっとアベルだ。

あの子はそこまで強くなかったはずだけれど、彼以外にはありえない。


ラヴァンデは盗み聞きをしながらそう思った。


「ふふっ、本当に、馬鹿・・・。」


ラヴァンデの目から涙があふれ出す。


彼に死んでほしくない。

けれど、また彼と会いたい。

そして二人で・・・


淡い期待と、不安でいっぱいなラヴァンデはその時、あることを耳にした。


「まぁ、ここはトレズ・シュバリエ第6斬、ヴァナルガンド様の管轄だ。奴らでは手も足も出んだろう。」


「確かにそうだな。単純な剣術の技術ならトレズ・シュバリエの中で一番のお方だしな。」


ヴァナルガンド、ね。

かつて、神童と呼ばれた雷神流歴代最強の剣士のことかしら。

もし、彼ならアベルは絶対に勝てないわ・・・。

6斬以上のトレズ・シュバリエは私以外では倒せない。


でも、アベルはできるかもしれない。

だって、魔女の私を好きになるような変わり者なのよ?

変わり者だけど優しくて、勇気があって、鈍くて、私が大好きな人。


彼なら、『助けに来たよ。ラヴァンデさん。』なんて言うのかしら。

ああ、早く会いたいわ。


・・・ちょっと待って。

さすがに1人で私を助けに行くわけにはいかないし、仲間もいるわよね。

女の子もその中に絶対いるわよね。


ということは、アベルは私よりも仲間の女の子と過ごす時間が長くなるのよね?

・・・浮気しないわよね?


ラヴァンデはむすっとしながらそう考えたが、10秒後


・・・何に嫉妬しているのかしら。

アベルが浮気するわけないじゃない。


と、アベルを疑った自分に怒りを覚えた。


彼なら必ずここに来る。

ちょっと女の子関係で心配だけど、再会したときに私がぐいぐい攻めれば何とかなるはずよ。

それまで私は我慢するの。


ラヴァンデは指輪をそっと撫でた。


いつになるかわからない。

1年後、10年後、いや、1000年かかるかもしれない。

それでも、彼の存在がいるということだけで希望が湧いてくる。


「アベル・・・私、ずっと待ってるから・・・。」


ラヴァンデの声がうす暗い地下牢の中に響いた。


____________________________


そのころ、一人でアベルが家計簿をつけていた。

その時、開けていた窓から風が入ってきた。

そして、ラヴァンデさんの声が聞こえた気がした。


でも、振り返ってもだれもいない。


「・・・聞き間違いかな・・・・。でも、幻聴でいいからラヴァンデさんの声が聞こえてよかった。明日から組織編成を具体的に決めなきゃいけないし、よーし、頑張るぞ!」


ーーー届かないはずのラヴァンデの声がアベルの心を元気づけた。それは、お互いに知る由もない。

   だが、確かにその時に二人は一瞬だけ意思を疎通することができていたのだった。





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