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10  戦慄く

2章10話です。

この話はほぼ戦闘です。

この調子でいけば2章は今週中には終わりそうです。

次話は今日の18時10分に投稿します。

薄暗い王都に地下にアベル、マーガレット、シュリエッタ、ルブラン、クラウスの五人が集結した。


「君たちまで死ににきたのかな?」


「まさか。死ぬのはあなたですよ。誘拐犯のクラウス団長。」


何でルブラン先輩もここへ?


「ルブラン先輩、なぜ・・・?」


「それはね、まぁ、なんというか、面白そうだから。」


横目でルブランはシュリエッタを見ながら言った。

シュリエッタは何か言いたげな目でルブランを見ている。


「は?面白そう?」


「・・・あぁ、こちらの話だから気にしなくていい。・・・悪いけど、少し状況を説明してくれないか?」


話、流されたな。

まぁいいや。


俺はクラウスが俺をラヴァンデさんの実験に利用するために誘拐されたことと、クラウスがトレズ・シュバリエという聖教の開祖がまとめる組織の幹部の席を狙っており、今回の犯行はクラウスのバックにその組織がかかわっていることを話した。


「・・・なるほど。聖教、開祖、トレズ・シュバリエ・・・今の話は本当ですか?わざわざ最後まで俺とアベル君の話を待っていてくれたようですが。」


「本当だよ。君たちの話を邪魔しなかったのは私を倒せたとしてもこの国は終わっていることを知ってもらうためだ。もちろん、私が負けることはないがね。」


「そうですか。いいでしょう。」


刹那、ルブラン先輩がクラウスに急接近した。

そのまま突き技を出す。


「遅い。」


クラウスはそれを避け、ルブラン先輩の死角剣を薙いだ。


ギィィィィン


「なっ・・・。」


ルブラン先輩はそれをノールックで防いだ。


「クラウス団長、俺、御前試合で第5団長に勝ったの忘れましたか?」


「・・・やるじゃないか。」


_________________________________________


二人の攻防が続く。

すさまじい打ち合いが続く。

その余波で壁や床に亀裂が入り始めている。


「私も混ぜなさい!」


「私も参戦します。」


そうだ。

何故ボケっとしている。

ルブラン先輩の介入でクラウスへの怒りを忘れるな。


俺とマーガレット、シュリエッタさんも参戦した。


「4人がかりか。さぁ、かかってきな。」


「舐めないでくれるかしら。」


マーガレットが剣に火属性の魔法を付与した。


あいつ、あんなことできたんだ。

最初からあいつが本気だったら俺は負けてたな。


「属性魔術が剣に付与できるのか。君も優秀なようだ。」


「驚くのはまだ早いわ。」


マーガレットは炎の斬撃をクラウスへ飛ばした。

クラウスは間一髪でよけるも頬にかすり傷を負った。


「へぇ、君は、なぜ試合で本気を出さなかったのかな?」


「奥の手だからよ!まだ2回戦なのに見せたくなかったの。」


「奥の手・・・そうか。」


その時、クラウスがルブラン先輩の剣をはじき、俺とシュリエッタさんの剣を避け、マーガレットの目の前まで移動した。


「残念だよ。」


マーガレットが反応するよりも速く、クラウスが攻撃しマーガレットが肩を深く斬られた。


「マーガレット!」


「人の心配してる暇なんてあるのかな。」


「まずっ・・・。」


俺はクラウスに横腹を斬られた。


マーガレット、俺の順で倒れる。


「はぁぁぁぁ!」


シュリエッタさんがクラウスへ攻撃する。

クラウスがそれをカウンターするがギリギリ届かなかった。


「貰いました!」


「いや、まだ甘い。」


クラウスは距離を詰めてきたシュリエッタさんに対し床を踏み割った。

シュリエッタさんはその衝撃で体勢が崩れる。

クラウスがシュリエッタさんを斬ろうとするとルブラン先輩がクラウスの背後から襲い掛かってきた。


すると、クラウスは下半身→腰の順に姿勢を低くしてルブラン先輩の剣を避け、そのままシュリエッタさんのみぞおちにこぶしを食らわせた。


「かはっ・・・」


シュリエッタさんはそのまま壁にたたきつけられて倒れた。


「なっ!?」


「舐めてもらっては困るよ。」


クラウスの剣が動揺したルブラン先輩の肩をかすめる。


「ッツ・・・まだだ。」


ルブラン先輩がクラウスに斬りかかる。

クラウスがそれを防ごうとするとルブラン先輩が一瞬で剣を右手から左手に持ち替えた。

勝った。

そう思った。

だが・・・。


クラウスはルブラン先輩の剣を右手でつかんだ。

クラウスの右手からは血が流れるが、指が切り落とされることはなかった。


「常識の範疇にいては強者には勝てない。」


クラウスはルブラン先輩の剣を手で折った。


それでも攻撃しようとするルブラン先輩に向かってクラウスは剣の破片を投げつけ、隙を作った。

そしてルブラン先輩の左肩から右わきにかけて斬った。

ルブラン先輩は力なく倒れた。


「私に対して善戦した方だよ。ここまでとは思わなかった。さて、アベル君はこのまま実験体になってもらい、あとは皆殺しかな。」


クラウスの残酷な言葉がうす暗い地下に響いた。




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