8 囚われのお姫様?じゃないよね
本日2回目の投稿です。
明日は1話だけ投稿します。
14時10分投稿予定です。
【マーガレット視点】
「あいつ、今日は3回戦だというのにどこにいるのよ。」
マーガレットはアベルの試合を見に来ていた。
昨日はあんな負け方するとは思ってもいなかった。
生意気な一念を懲らしめてやろうと思ったのに、逆にこちらが痛い目にあわされた。
けれど、試合終わりにあいつに感謝されたことは嬉しかった。だが、あおっているようにも聞こえたので複雑な心境だ。
別に気になるとかではないのよ。
きっとそうよ。
だけど、なぜか心配になる。
・・・違う違う!私に勝った相手が棄権で3回戦敗退とか恥だから心配してるだけよ。
ちょうどいいわね。あそこに昨日カツアゲしたあいつの友達がいる。
いまあいつがどこにいるか聞いてみよう。
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【シュリエッタ視点】
アベル君がいない。
昨日は一緒に楽しく夕食を食べたばかりなのに。
トム君やボブ君に聞いても今日は来てないっていうし・・・。
さすがに寝坊したわけではないはず。
・・・何かあったのかもしれない。
「ちょっといいかな?」
「クラウス団長・・・。」
「先ほどマーガレット令嬢からアベル・アーカイル君が今日試合に来ていないか聞かれてね。君はアベル君と親しそうだったし、何か知らないかい?」
マーガレット先輩も探しているんだ。
「昨日、私は一緒に夕食を食べました。そのあとは各々帰宅したのでわかりません。」
「なるほど、念のため騎士団を呼んでおこう。将来の騎士候補に何かあってはいけないからね。」
「ありがとうございます。」
やった。
騎士団が動くならすぐに見つかるはず。
・・・でも、本当にそうだろうか。
もし、見つけられなかったら?
最悪の場合・・・。
嫌だ。私の初めての友達を失いたくない。
ここはルブランに相談してみよう。
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【アベル視点】
鉄のさびたにおいがする。
俺は目覚めたときそう思った。
ここは、地下か?
なぜ誘拐された?
誰に?
正体を確認する暇もなく気絶させられたからわからない。
てか、こういうのってヒロインが誘拐されて主人公が助けるイベントでしょ。
なんで俺が誘拐されてるんだよ。
・・・もしかして、俺がヒロイン!?
ということは、白馬に乗った王子様が俺を助けてくれるはすだ。
そして俺がそれをきっかけに主人公に惚れる展開か?
・・・現実的に考えれば騎士団が助けに来てくれるんだろうけど。
自分で逃げたいけれど、これじゃ無理そうだし。
自分の手足を見ると鎖でつながれている。魔力封じまで完璧にされている。
暇だし、王子様が来た時のセリフでも考えておこう。
あ、あなたは?と驚く演出がいいかな。それとも、恍惚とした表情を浮かべている演出がいいかな。
どれもよさそうだぞ。
周りの心配をよそにアベルは暢気に救出された時のシチュエーションを考えていた。
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【マーガレット視点】
バン!
「なんでまだ見つかってないわけ!?もう捜索から半日よ?」
「そういわれましても・・・。それにまだ半日じゃないですか。マーガレット嬢、直訴するならせめて明日にしていただきたい。」
ふざけるな。
今回の事件は誘拐の可能性が高い。
王都は広いとはいえ、ここ数年間、100件を超える誘拐事件の監禁場所は大体同じようなところだ。
王都の地下か、あるいは森か。
「あんたたち、地下は調べたの?」
「いえ、まだ・・・。」
「はぁ!?なんで調べてないのよ?今まで何百件の誘拐事件を解決したと思っているのよ貴方たちは。」
「それは・・・その・・・。」
「なによ。言いたいことがあるならはっきり言いなさい。」
しかし、下っ端騎士は何も言わない。
駄目だ。こいつらはあてにならない。
・・・私があいつを助けてやろう。そしたらあいつはどんな顔をするだろうか。
楽しみね。
マーガレットは王都の地下道に向かった。
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【アベル視点】
「2,3,5,7,11,13,17,19,23・・・」
暇だ。演出を考えるのも飽きた。
素数を数えるのも飽きた。
そろそろ王子様が来ないかな~。
バゴン!
お?
もしかして
「俺を助ける主人公系の白馬の王子様・・・・じゃなくて、猛牛に乗ってそうなバイオレンス令嬢かよ。」
「うっさいわね!やっぱ地下にいた。」
何でこいつが俺を助けに?というかボロボロじゃないか。
何があった?
「なんでお前が・・・。」
するとマーガレットが俺の鎖を斬って、落ちていた剣を渡してきて言った。
「重要なことだけ言うわ。この事件にはおそらく・・・」
「おや、ここまでたどり着いたのか。」
まさか。
二人が振り向いた先には"彼"がいた。
その瞬間、アベルは敗北を悟った。
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