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7 昏倒

2章7話です。

次回から話の展開が進みます。

できれば今日の22時40分に次話を投稿します。

「はぁはぁ・・・あの野郎、どこ行ったんだ。」


マーガレットはどうやらどこかに行ってしまったようだ。今度会った時に無理やりにでも返してもらわないと、来月の食費が大変なことになる。


「アベル君!」


「シュリエッタさん!?」


シュリエッタさんは少し顔を赤らめ、嬉しそうにやってきた。

俺もうれしいけれど、周りに見られているからなぁ。

まぁ、さっきの試合を見て俺に喧嘩を売ってくるやつはいないか。


シュリエッタさんは俺におめでとうの言葉を言った。

シュリエッタさんが合宿で俺を指導して下さったおかげですと言っておいた。

そしたらすごいもじもじしていた。

どうしてだろう。もしかして・・・


「ちょっといいかな?」


誰だ。

あ、この人、第三騎士団長のクラウスさんだ。

どうやら見に来ていたらしい。


クラウスさんにあいさつすると、彼は感心したように言った。


「君の最後の動き、非常によかったよ。君はどうやら魔力量も多いようだし、卒業後は騎士団に所属できるように私が推薦しよう。」


え?

まじで?


「ほ、本当にいいのですか?俺、街中で正当防衛とはいえ人をぶん殴ったやつですよ?」


「ははは。君の指導は入団後私がみっちりするから安心しな。」


目が笑っていない。

どうやら入団したら地獄が待っているようだ。

だとしてもこれはいいぞ。

これでこの学園に入学した目的を果たしたも同然だ。

騎士団なら給料も高いし、ラヴァンデさんを養えるぞ。

二人でキャッキャウフフの新婚旅行だって夢じゃない!


ひとりでにやけてたらシュリエッタさんとクラウスさんが『え?』みたいな顔になってた。

そりゃそうか。


「・・・私はここで失礼するよ。」


クラウスさんが苦笑いして去っていった。


やべ、みんなドン引きしてる。

このままだと関わっちゃいけないやばいやつ認定されちゃう。


「シュリエッタさん、あの、これは、その・・・」


「ちょっといいかい?」


「え、あ、はい!」


なんだよ。今、弁明の途中・・・剣術大会第2シードのヴォルフガング・ルブラン先輩ではないか。

先輩が何の御用でしょうか?


「君、最近シュリエッタと仲良くしてくれているみたいだから声をかけてみようと思ってね。・・・いつもありがとう。シュリエッタがニコニコで君の話をするからどんな子かと思っていたが随分、根性のあるこのようだね。」


絶対、クラウスさんの調教を喜んでいる奴認定されてるよ。

・・・というか、口ぶりからしてシュリエッタさんと仲が良いように感じるのだが・・・。


「失礼ながら、二人はどのような関係なのですか?」


「俺はシュリエッタと幼馴染なんだ。同じ公爵家同士、小さなころから交流があってね。」


「そうなんですか!?」


シュリエッタさんの方を見ると顔を真っ赤にしていた。


「ちょっと、ル、ルブラン!?私がアベル君のことどう話していたか言わないでぇぇぇぇぇ・・・。」


「ははははは。それじゃ座俺はここらへんでお暇させていただくよ。・・・二人きりの方がいいだろう?」


もしかしなくても恋バナとか好きだろこの先輩。


ルブラン先輩の言葉にシュリエッタさんは1分くらい赤面し続けていた。


_______________________________________


そして夕方。

シュリエッタさんとあれからずっと話続けている。


「・・・だから、今度、その、よろしければ一緒にそのスイーツのお店に行きませんか?」


「わかりました。」


なんか、いつの間にかデートの約束してた。

俺もリア充の仲間入りだぁぁぁぁぁぁ!


その時


「お前ぇえええええええええええええええええええ!」


「落ち着いてくださいトム君。」


鬼の形相で俺を殺そうとするトムをボブが必死に止めていた。


トム、君は先日俺にぼこぼこにされたのを忘れているのかな?


「懲りないやつだな。あきらめろよ。」


「諦める分けねぇだろ!」


シュリエッタさん本人の前で何言ってんだか。

シュリエッタさんにこれ以上醜態をさらさないようにこいつを・・・。


「何の話をしているのかわかりませんが悩み事はご飯を食べれば大体解決します!祝杯も兼ねて夕食をみんなで食べに行きましょう!」


ちょっと、シュリエッタさん!?

貴方胸をもんだトムがここにいるんですよ?

トム、お前も気まずいだろうから断れ。


「「いいですね!」」


トム、ボブ、お前ら・・・。

俺、金ないのに。


「…でも、俺は金欠というか財布を盗まれた、いや、カツアゲされて無理やり奪われたので一文無しですよ。」


「僕もです・・・。」


「俺も、今日の試合マーガレット先輩が勝つと思って全額賭けて大負けしたから金がない。」


トム、お前、あとで覚えてろよ?

だがこれで4人ディナーは無理だな。


「・・・ならば、私が皆さんの分もお出しします!」


え?


「「ありがとうございます。」」


ちょ、トム、ボブ!?


「そうと決まれば行きましょう!」


俺が反論する前に強引に決定された。


・・・というか俺ら、ださくね?

シュリエッタさんに全額おごってもらうなんて・・・。


__________________________________________


シュリエッタさんたちとのディナーが終わった。

トムとボブは終始無言だった。

そのため俺とシュリエッタさんだけで1時間話した。

何のためにトムたちはついてきたんだよ!


そして俺は家までの帰り道を歩いていた。


「はぁ、とりあえず2回戦は突破した。明日は3回戦と4回戦。勝ち残ればベスト32か。頑張るぞ。」


マーガレットより強いやつは見たところ明日の対戦相手にはいない。

上位に勝ち上がれている自分のビジョンを考えていると


「ちょっといいかい?」


「はい、なんでしょう?」


いきなり話しかけられたので振り返ろうとした瞬間、強い衝撃を感じたのち、視界が真っ黒になった。





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