3 誰かいい指導者はいないのでしょうか?
シュリエッタがめちゃくちゃ出てくるというか、シュリエッタの話です。
シュリエッタ以外にも何人かヒロインを今後登場させる予定です!
次話は午前6時40分に投稿予定!
もぐもぐ
まったく味がしない。
俺はシュリエッタさんとディナーに来ている。
最高級レストランにだ。
平民が公爵令嬢とだぞ?
しかもシュリエッタさんが俺におごったのは一番高いコース料理。
シュリエッタさん、相手の気をひきたいのはわかるんだけど、ここはまずいかなぁ。
初デートで気合入りすぎて彼女を高級レストランに連れてきてしまい失敗する彼氏みたいになっちゃうよ。
何より俺の場違い感がすごい。
周りの視線が痛い。
なぜ、あのようなものがここにいるのかという視線だ。
「ア、アベルさん!おいしいですか?」
「ええ。おいしいですよ。ありがとうございます。」
ホントは味なんてわからん。
でもおいしいはずだからとりあえずにっこりと答えたのだ。
「・・・やっぱり、ここじゃダメですよね・・・。」
「え?」
「隠さなくても大丈夫です。お気遣いありがとうございます。」
バレた!
さすが社交界にも多く出席している令嬢だ。
「ごめんなさい。せっかくだからいいところに連れて行けば喜んでくれるかと思ったのですが・・・。」
「いえいえ、俺がここに来ることなんて一生ないと思います。ありがとうございました。」
この子、根がいい子なんだろうな。
そういう子に俺は弱い。
だが安心したまえ。
シュリエッタさんに浮気するつもりはない。
てか彼女と付き合うの無理だし。
雰囲気悪いし、話題変えよう。
「あ、そういえば今日の試合、シュリエッタさんすごく強かったです。何かコツがあるんですか?」
するとシュリエッタさんは顔を輝かせて言った。
「それはですね!相手の魔力の流れを読むんです!」
「は?」
「相手の魔力の流れを読むんです!」
聞き間違いじゃなかった。
相手の魔力を読むことはかなりの才能がないとできない。
そん何言われても困る。
いや、何かコツがあるのかもしれない。
感覚です!とか言うなよ。
「何かコツとかありますか?」
「感覚です!」
あちゃ~これ、習得無理な奴じゃん。
でもなぁ、相手の魔力読めるようになったら、自分の魔力の運用効率が上がるんだよなぁ。
「ほんとにコツとかないのでしょうか?」
「いつの間にかできるようになってました!」
これだから天才は嫌なんだ。
誰か~いい先生紹介してよ・・・。
「ハハハハハ、そうですか、ハハハハハ・・・。」
「あ、ごめんなさい・・・役に立てなくて・・・。」
「そ、そんなことないですよ。」
「そうですか、それでも役に立ちたいです!」
なんで?
好きだからとか言われても困りますよ?
てか損ぐらいしか考えられん。
でも惚れるの速すぎだろ。
チョロインか?
だとしても俺のどこに惚れたんだよ。
「そこまでしていただかなくても、俺は気持ちだけで十分です。なぜ、ここまで俺を助けてくださるのでしょうか?」
何で聞いちゃったんだろ。
失敗したなぁ。
「そ、それは・・・。私、今まで本当の友達いたことなくて。」
「え?」
「公爵令嬢だからみんな私に気を遣うんです。同じ公爵家同士だと政治が絡んでくるので表向きには仲良くするけれど心から友達だとは思えないんです。」
なるほど。
確かにそうだ。
シュリエッタさんはみんなにいつも囲まれているけど、特定の誰かと話すところはめったに見なかった。
「だから、合宿で友達を作りたくて・・・それでアベル君には迷惑をかけてしまいましたね。」
好きなんじゃないかとか失礼なこと考えてた自分が恥ずかしい。
彼女が友達が欲しいなら、なってあげようじゃないか。
「あの、俺でよければ友達になりませんか?」
「え、いいのですか?」
「はい。」
「やったぁ・・・えへへ///」
照れている顔がかわいらしい。
危うく悩殺されるところだった。
危ない危ない。
「握手、しませんか?友達になった記念に。」
何また余計なこと言ってんだ俺。
「ひゃ、ひゃい!」
シュリエッタさんは顔をリンゴよりも赤らめた。
俺とシュリエッタさんは握手を交わした。
シュリエッタさんはその直後、石像みたいに固まってしまった。
30分後
やっとシュリエッタさんが正気を取り戻した。
また、謝ってきた。
大丈夫です。俺がいきなり言ったからいけませんし。
そう言って雑談をしばらくした後、シュリエッタさんがこういった。
「アベル君、合宿では私があなたの先生になります!」
こうして感覚派の先生が誕生した。
大丈夫か、これ。
そして、剣術大会でアベルは覚醒する。
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