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第四話 依然そして俄然

「お帰りなさい。ご苦労様です。」

と、ちょうどそこにいた単二型が言う。そこには単四型もいて、その単四型に特殊発光型リーフを渡す。

「ありがとうございます。」

そう言ってくれた。なんだか久しぶりに人に感謝された気がする。人じゃないけど・・・。

「おい、単四型。」

神様が言う。

「なんでしょう?」

「どれくらいで完成するんだ?」

「二十分ほどです。」

「そうか。」

とのこと。しかし、問題が発生する。二十分で完成する。つまり、妹の所にはあと一時間ほどで着かなければならない。とっくに五時間経過している。しかも妹の居場所は僕にはわからない。

「おい、陸、ちょっと待っておけ。ここでな。二十分以内に戻ってくる。」

「は、はい。」

そう言って、神様は巣を立ち去った。

「ねえ、単二型さん。」

「なんでありましょうか?」

「なんで電池メンはこんなところで色々やってるの?」

一番答えにくい質問なのだろうか。単四型は少し考える。

「わかりました。その理由を答えましょう。」

「ありがとう。」

「私たち、電池メンはいわゆるエネルギーなどに今までは利用されていました。ところがある日、電池メン単三型の一人がこう言ったのです。『消費されるだけじゃなくて、生産もしてみたい』と。その言葉をみなが受け付けました。そこで、私たちは自分たちのエネルギーを何かに使えないかと、考えました。その結果がこの巣です。工場のようなところで、リーフ電池などかたくさん作ることが出来ます。それからは、私たちが消費される代わりに、私たちが生産した電池が消費されるようになりました。三百万年ほど前の話です。」

「へ〜。電池メンってそういう歴史を持った人々なんだね。」

「はい。それでもう、こちらはとても栄えております。」

 そんなことを話しているうちに、神様が帰ってきた。どうやら、取ることの出来なかった聖なる水を持ってきてくれたようだ。

 それと同時に単四型もやってきて、リーフ電池を渡してくれた。

「おい、陸。ここにはもう用なしだ。そろそろお前の妹のところに行こうじゃないか。」

「そうだね。じゃあ、電池メン単二型さん、ありがとう。僕らはそろそろ行くよ。」

「はい、わかりました。元気でいてくださいね。」

「うん。わかったよ。そちらも元気で。」

 そう言った後、再び真っ暗な空間が現れて、嘔吐寸前の状態になりそうになる。


 目を開けると神様がいる。

「イモウトヲサガセ」

 棒読み?

「ハヤクサガセ」

「神様?」

「イケ」

 神様にシッシと手で払われてしまったので仕方なくオレは神様の変な様子を気にしながらも陽菜を探す事にした。


「おひさー」

 顔が黒くなってる女神様がいた。

「ど、どうしたんですかその顔??」

「あぁちょっとね」

 女神様はサンがしたのと同じような顔をした。

「あの、神様が変なんですけど・・・・・」

「あいつは昔から変よ」

「いや、そういう事じゃなくて・・・・・・」

「なんでか知りたい?」

「え!?女神様実は知ってたんですか?」

「当たり前じゃない!だって私がえん・・・・・じゃなくて部下の事は何でも知ってるのよ!」

「アァァァァァアァッァァァァ〜〜〜〜〜〜」

 後ろから神様の棒読み叫びが聞こえる。

「か、神様!?」

 オレが後ろを振り向くと神様は何かの穴に吸い込まれそうになっている。

「神様!」

 オレは神様に向かって走り出す。

「無駄よ」

 オレは女神様に肩を掴まれた。

「離してください!」

「あいつは地獄へ送ったわ」

 え!?

「次からは私がインストラクターとしてついてあげる!あんなへッポコよりもこっちの方がもとに戻れる確立が高いわよ」

「やだ!離して!・・・・・離せぇ!!」

「もう無駄・・・・・・閻魔様に言っちゃったもん!」

「神様は何にも悪い事してない!悪い事をしてるのはあんたの方だ!」

「キャンペーン参加者に専属してるインストラクターが消滅、音信不通などの場合は代わりのインストラクターがつくのよ!」

 女神様の目がぎらつく。

「いいわね!今から私があなたのインストラクターよ!」

「それはどうかな?大天使君!」

 女神様の後ろに気の優しそうなスーツを着こなした男の人がいる。

「あら、何かしら?」

「何かしらはこっちの台詞だね!だぁれもあんたからあの神様を地獄に落とせとは聞いてないんだけどなぁ〜」

「そ、そう」

 話の流れ的にバリ空気が読めるオレはスーツの人が閻魔様だという事に気が付いた。

「閻魔様?神様が最近教師始めたって言ってた閻魔様?」

「ああ、そうだよ。陸君。この大天使は悪い人さ。だからね。」

と言って、耳元に呟く。

「大天使を地獄に送ろうと思うんだ。そうすれば神様も元通りに戻ってくる。」

「でも女神様はとてつもなく強いから、誰の手にも負えないって言ってましたよ。」

「大丈夫、地獄に送るだけ。私になら出来るよ。」

そう閻魔様は言う。女神様はこちらを見て、イライラした顔を見せている。

「大天使、地獄に行ってくれないか?」

「いやです。私が地獄に落ちたら今まで長い年月をかけてつけた力が封途されてしまいますから。」

封途、よくわからない単語が出た。しかし、空気的、流れ的には力が使えなくなるということだろう。

「なら、大天使、君を完全消失させる。そのときに手に入った存在の力は全てこの、平田陸君に授ける。」

「は、はぁ!?閻魔様、ということは、僕は何がどうなるんですか!?」

いきなり驚いた。誰にも止められないと噂の女神様の力を自分に授かれる?意味がわからない。

「とりあえず閻魔様、そんなことはさせません。リアルの人間にそんなことをしたら・・・。」

「おそらく、『イリオス』の能力を手に入れる。その際に『神宝』は砕け散って、リアルの世界が『ヨクト』と入れ替わり、ジオルの世界が『ヨタ』と入れ替わる。」

よくわからない単語続出。もはや解読不能だ。

「あの・・・。『イリオス』って?」

「ああ、『イリオス』とは、世界変革能力だ。だから、仮にその能力を持った上で、こうなって欲しい。そう思っただけで、世界は変わる。ただし、その能力を手に入れたのは一人だけさ。その人はもういないけど、この世界の創造主と言われている。何年ぐらい前の話なのかな。」

世界変革能力・・・。一回そんな能力を持ちたいと思った。そして、閻魔様は指から光の玉を出して、なんやらの呪文を唱える。

「きゃあああああ!!!!」

 その瞬間、女神様は、どこかに消えた。

「あれ・・・。」

唖然とした僕に閻魔様は言う。

「大丈夫、地獄に送っただけだ。おそらく君のパートナーはもうすぐ戻ってくるよ。元通りになってね。」

そう言われた。パートナーを神様だと認識して、待つ。

 そして、どこからも無く、現れてこう言った。

「陸、心配させたな。とりあえずお前の妹のところに行くぞ。」

「う、うん。」

そう言って、閻魔様に別れを告げた。

「がんばれよ。じゃあそろそろ、学校に戻るよ。職員会議だからさ。」

そう言って、僕らより先に消えた。

「じゃあ行くか。そろそろ。大丈夫だ。妹の場所はしっかり把握している。」

「そうですか。じゃあ行きましょう。」

「ああ。」

だんだん友情が芽生えてきたこの二人。

 再び真っ暗な空間に出る。今度は嘔吐しそうになく、なんだか慣れが出てきたようになんでもなかった。神様に認めてもらえたのだろうか。よくわからないけど。

「とりあえず言っておく。リアルではもう一日経っている。それだけだ。」

「わかりました。」

 そして、出た先には妹がいる。一日経ったということは、夜の間ずっと僕のそばで起きていてくれたのだろうか。ありがとうと言いたい。

「さあ、行けよ。お前が選んだ体だろ?」

「はい。」

そして、妹にテレパシーで語りかける。

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