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第十三話 日本編 カーラ奪還作戦 シェール裏切り!? 最後の罠

俺が気絶していた時の存在しない記憶……


「これでよしっと」


シェールの声がする。俺は顔の位置を動かせない。立つことすらも叶わない。


視界の端っこにマルの姿がある。シェールがマルに歩み寄っていく。今、何をした。体がかぶさってて何も見えない。

 

その後、俺にも近づいてくる。抵抗することもできず、何をされたかもわからなかった。


「さあ、そろそろ時間だね」


そう言った彼女の顔はなんだか、ひと段落したって感じがしていた。


急に耳の中に轟音が侵入してくる。耳がやられて平衡感覚が失われていく。


「そろそろ起きるころ、なんじゃない?」


シェールは優しく俺の顔を撫でる。顔はおじさんだけどね。


俺は急に現実へと引き戻される。ここまでの時間はおよそ四〇秒。



「大丈夫?なんだか耳を抑えて叫んでたけど」


シェールの顔が少し不安そうな顔になる。自信をなくした占い師。不思議とそんな感覚を覚える。


「大丈夫だ、少し記憶が入り混じっていただけだし」


俺はそう言って立ちあがろうとしたが、視界が揺れる。平衡感覚が失われている。あれは現実だったのか?


「やっぱ、だめやんか。さっきの音響爆弾のこともあるからもう少し安静にしときな」


俺はそれを聞いた瞬間にマルの方に視界を寄せる。耳栓か。今の状況に納得しつつも、違和感が芽生える。俺は音響爆弾で気絶したんじゃ……


シェールが何かをした?そういえばさっき俺……耳栓をとったような気がする。


「俺はなんで耳栓をつけてたんだ?」


「それはだって音響爆弾の対策やで。威力を軽減したんやろ?」


いやでも、俺が気絶した時は耳栓をしていなかったぞ?


「もしも音響爆弾が直で耳に当たったらどうなる?」


俺は疑問に思ったことを口にする。それと、同時に恐怖が増していく。


「そうだねー、耳から血が大量に出て平衡感覚が失われて気絶するかな」


俺はすぐに耳を確認する。血は確認できなかった。よく考えたら当たり前の話だ。耳栓をしていたんだから、被害は抑えられたはず。


「お前……もしかして俺のことを気絶させたのって……」


それ以上の言葉は出てこなかった。俺は後ずさる。だけど、すぐそこには壁がある。万事休す。ここにきてから何回この言葉が頭に浮かんだろうか。まさか、裏切り者がこんなにも近く潜んでいたなんて。


「さあ、殺してみろよ。お前は俺たちを殺すのが目的なんだろ?」


「私を裏切り者扱いとは、なかなかなものだね。確かにここで殺すのが一番自然やもんね」


そうだ、だから殺せよ。俺を気絶させる力があるなら容易いだろ?今までのも全て仕組んだ罠だったんだろ?大きな罠っていうのは俺たち二人に対して言っていたものなんだろ?


「なぜ、ここまで俺たちを殺さなかった?殺すチャンスはいくらでもあった。最初の罠で殺せば楽だったんじゃないか?」


ここまで引っ張る必要がないし、まだ俺たちは生きてる。意図はなんだ?自分の身も危ないはずなのに……


「そうだね、そうすればよかったねー。じゃあ先に進もうか。マルも起きたところだしね」


くそ、バレたか。マルとの二人がかりならシェールを完封できる可能性があった。しかし、バレては動きにくい。ここはやつに従うしかない。


「おはよー、イノにー……誰?」


俺は重要なことを忘れていた。この人物が誰なのかをマルが知らなかったことを。


「あ、私はシェールやで。訳あってこんな謎のおじさんの姿に憑依しているの」


「そうなんだー。それでなんでイノはこんなにも殺気立っているの?」


マルにバレてるってことはシェールにもバレてるってことだよな。一回緊張を解こう。


「いや、なんでもない。さあ、先に進もう。次の罠へ」


そうは言ったものの、全てはマルの手の内だろう。いつか死ぬなら……できるだけ長生きする道を選ぼうかな。


『第三の罠への到達おめでとう。ここまでの試練は生かされた。そんな感じがするだろう。だが、ここいらで君たちは死ぬことになる。覚悟して臨むといい』


急に放送が流れる。これは聞いたことのない声。加工は入っていなく、誰かの声であることは間違いなかった。


『ちなみにこれが最後の罠だ。心してかかれ。ここを通り抜けたことがあるやつはいないがな。ハハハ』


なんてやつ、自分は安全なところから監視だと?許されねえぞ、これは。いやでもよく考えたら……


「シェールって監視カメラをハッキングしたんだよな?どうやって俺たちがここにたどり着いたことがわかったんだ?」


「それは私が仕掛けた罠やからって、言いたいところだけど、現状やとわからん」


いや、じゃあもう自分が仕掛けた罠やんか。それで確定やぞ。


『ルールは簡単だ、今までのように迷路をクリアしていくだけ。私からは以上だ』


なるほど、迷路の中には数え切れないほどの罠があって俺たちを陥れる、と。そこまでは読めたが、果たして俺たちは生き残れるのか?いつシェールが俺らの首を切って見捨てるかもわからない。一体、どうやって動けばいいんだ?


『第三の罠への到達おめでとう……』


あれ、ループ再生!?てことは、誰も監視していない?


「なるほど、ループ再生ね。これだと私たちに音の妨害もできるってわけやな。まあ、気をつけて進みましょう。君たちは他の何かにも気をつけているようだけど」


俺たちは最後の罠へと到達した。だが、もっと前に大きな罠は隠れていた。シェールという裏切り者が俺たちをどう殺すのか、それとも本当は?まあ、何を考えたって無駄だ。


今は普通に最後の罠に集中しよう!

読んでいただきありがとうございます。


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次回もよろしくお願いします。

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