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048 最後のオークとゴブリン

「ほふぅ……」


 今日もお腹いっぱい食べちゃったな。僕のお腹がポッコリと出ているくらいだよ。


「クラーク、いい子で待ってるんですよ」

「あい!」


 お母さんに元気よく返すと、僕は両親のベッドの上で、まるでゲームを始めるように頭の中のゴーレムの視界をチェックしていく。


 それによると、ストーンゴーレムたちは、もう砦の中ほどまで攻略済みのようだ。


 そして、砦の中ほどで侵攻がストップしていた。


 強敵が現れたのだ。


 砦の中ほどの大部屋。そこには、残り七体のオークたちが手強く抵抗していた。


 その中の一体は一際背が大きく、まるで中世の騎士のようなフルプレートを纏っている。残りの六体も鎧を身に着けていた。


 こいつらにもう二十体以上のストーンゴーレムを倒されている。


 しかし、オークたちの姿はもうボロボロだ。


 自慢の鎧はひしゃげ、手に持った武器もストーンゴーレムを何度も殴ったせいか、刃こぼれや曲がったりしていた。


 そんな彼らの前に次々と姿を現すストーンゴーレムたち。


 ストーンゴーレムたちは、たしかにレベル一で投入されたが、これまで無休での戦闘を通して、全体的に四十レベル近くになっていた。


 たしかにアインやツヴァイに比べればまだまだだけど、それでも四十レベルのストーンゴーレムが百体以上残っている現状は、オークたちにとっては絶望してもおかしくない現実だ。


 それでも、オークたちは諦めない


 もう自分の命などとっくに捨てる覚悟はできているのだろう。オークたちは覚悟の決まった鋭い眼光を放ち、決して武器を手放したりはしない。


 たぶん、それだけ守りたいものがあるのかな?


 そんな彼らの後ろには一匹の白い服を着たゴブリンがいる。


 このゴブリンが厄介なんだ。


 ゴブリンはお母さんと同じように治癒魔法を使えるみたいだ。そんなゴブリンがオークたちを支援している。


 だから、この七体のオークたちは満身創痍だが、誰一人欠けることなく存在していた。


 でも、限界はくる。


 白い服を着たゴブリンはもうフラフラで、先ほどから杖を支えになんとか立っている状態だ。


 たぶん、残りのMPが少ないのだろう。


 僕も何度も経験したことがあるからわかる。MPが0になると、まるで強制的にシャットダウンされたように意識が飛ぶんだ。


 それでも、ゴブリンは耐えている。倒れない。


 正直、このオークたちが、ゴブリンが、こんなにもしぶとく抵抗するとは思わなかった。


 たしかに、彼らはもともと強者だというのもあると思う。


 おそらく、このオークの街の中でも屈指の実力者だろう。


 でも、それを差し引いたとしても、彼らのしぶとさは異常だった。


 他のオークたちは一体のストーゴーレムを倒すのにも難儀していたのに、このオーク、ゴブリンはもう二十体以上のストーンゴーレムを倒しているという事実。


 そこに僕は肉体の限界を超えた精神力を見たような気がする。


 だってもう彼らは全員満身創痍で、武器を構えるのも辛そうだ。だというのに、彼らはまた協力して一体のストーンゴーレムを討ち取った。


 もう彼らが倒したストーンゴーレムの数は三十を超えるだろう。


 何がそんなに彼らを支えているんだろう?


 その力の源は何だろう?


 ちょっとだけ、僕はこのオークとゴブリンを倒すのが惜しい気持ちになった。


 まぁ、倒すんだけどね。


 とはいえ、このままストーンゴーレムの数の暴力で倒すこともできるけど、それはもったいない。


 ここにツヴァイでも召喚して倒すのが一番手っ取り早いけど、それだと過剰戦力だ。


 ストーンゴーレムで始めたのなら、最後もストーンゴーレムで終わるのもいいだろう。


 でも、ただストーンゴーレムを突っ込ませてもまた倒されるだけだろう。


 ここは僕のゴーレムの操縦技術の向上に役立ってもらおう。


 僕は、まるでゴーレムに憑依するように、自分の手足として操ることができる。


 今までゴーレムたちには、直接指示を出したり、オートモードで動かしたりしてきたけど、憑依した経験はあまりない。


 本当に自分の体のようにゴーレムを動かせるんだ。


 しかも、ダメージを貰ったり、壊されてしまっても、僕に何の影響もない。


 本当にゲームみたいな感じだ。


「たや!」


 僕は一体のストーンゴーレムを決めると、そのゴーレムに憑依して、一体だけでオークたちの前に出ていく。


 ストーンゴーレムの両腕には、使い古されたハルバードが一本ずつ。他に装備はない。


 対するオークは、中央にいる全身甲冑の大柄なゴブリンが両手に棘の付いた金棒を持っており。その他のオークは大剣や金棒を持っている状態だ。


 一対七。いや、ゴブリンを入れると八かな。


 でも、オークたちはもう疲労困憊の上にボロボロだ。勝機は十分あるだろう。


 僕は両手に持ったハルバードを構え、少しずつオークたちとの距離を詰める。


 オークたちは自分から動くのも辛いのか、まるで鶴翼の陣のような半円を描いたまま僕を睨みつけていた。

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