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045 オークリーダーとバリスタ

 僕は他のストーンゴーレムたちにも適宜ダブルラリアットをさせながら、オークの街を蹂躙していく。


 オークの街の中には、石や木で建てられた家々が建ち並び、その光景は一回りサイズを大きくした人間の街を歩いているようだった。


 でも、種族による価値観の違いも随所に見られる。


 例えば、家の外観。


 人間の街は僕の目からは外観にも気を使っていたように思う。石と木の組み合わせで模様を作り出したり、あとは色もたくさんあったように思う。


 でも、オークたちは見た目にはあまり気を使わないのか、かなり地味な街並みだ。石や土、木の色しかない。街路樹すらない徹底ぶりだ。


 そして、オークとゴブリン以外の生物の姿がない。


 人間の街では、馬や牛などを見たけど、オークやゴブリンは馬車などは使わないのか、他の生物の姿が見えない。


 そのせいかはわからないけど、なんだか排他的、ディストピアという印象がしてしまう。


 これは種族的な好みの違いなのかな? なんだか面白いね。


 まぁ、そんな街並みは今は真っ赤に染まっているんだけどね。


 でも、建物の中に隠れられてしまうと、オークやゴブリンたちを倒せなくなってしまうね。ここはちょっと小さいサイズのストーンゴーレムを創って、建物の中も探索できるようにしよう。


 そんなことを考えていた時だった。


「おう?」


 何体かのストーンゴーレムの視界。その視界が青い空や石畳を見ていた。その数はまだ少ないけど、ちょっとずつ変な方向を向いているストーンゴーレムの視界の数が増えていく。


 まぁ、時間が経てば直るんだけど、どうしてそんなことになっているのか不思議だ。


 どうしたんだろう?


 当然だけど、僕はストーンゴーレムたちにそんな指示を出していない。


 僕は、先ほどまで空を見上げていたストーンゴーレムに意識を集中してみる。


 すると、ストーンゴーレムが転んだ状態から立ち上がったのがわかった。


 転んだ? ストーンゴーレムが?


 たしかにストーンゴーレムはパワータイプで、そんなに俊敏には動けないけど、石畳の道で転ぶことはないと思うのだけど……?


 不思議に思っていると、ガツンッと殴られたようにストーンゴーレムの視界が激しく揺れ、また倒れてしまったのがわかった。


 何があった?


 視界を巡らせると、そこには普通のオークとは一味違ったオークがいた。


 普通のオークたちは上半身裸なのに、そのオークは鉄製と思われる鎧を着込んでいた。しかも、そこから生えている腕の太さが尋常じゃない。ムキムキだ。


 他のオークもたしかにパワータイプだけど、ここまでムキムキじゃない。どちらかというとお腹が突き出たぽっちゃりなオークが多い中にあって、その筋肉ムキムキマッチョマンのオークは異質だった。


 なんだか、前に戦ったオークの強者を彷彿とさせるね。強者のオーラを感じるよ。


 対するこちらはレベル十七のストーンゴーレムだ。


 すでに三発貰っているのか、胸と脇腹、そして右の太腿部分が大きく欠けている。


 オークの強者。仮にオークリーダーと呼ぼうかな。オークリーダーの右手には、他のオークのようにハルバードではなく、トゲトゲの付いた金棒を持っている。そこからもこのオークが特別だということがわかった。


 僕はストーンゴーレムに魔力を送ってその体を修復しながら、立ち上がるのを待つ。


 その間に、他の視界がおかしくなっていたストーンゴーレムの視界から状態を確認すると、同じようにオークリーダーの姿や、ものすごく大きいボウガンみたいな兵器を操るゴブリンの姿が見えた。


 どうやら普通のオークではストーンゴーレムを倒せないと悟って、オークたちも次の手を打ってきたのだろう。


 じゃあ、僕も次の手を打とうかな。


 僕はストーンゴーレムたちに指示を出す。


 ゴーレム使いである僕の最大の強み。


 それは――――数だ!


 オークリーダーに砕かれたストーンゴーレムの体。その欠片が周囲の石畳をブラックホールのように急激に飲み込み、次の瞬間にはそこには十体以上のストーンゴーレムの姿があった。


 ストーンゴーレムの砕かれた欠片。それは、僕の魔力が残っている。つまり、僕が操ることが可能なのだ。


 さすがに敵が一気に十体以上も増えるとは思わなかったのだろう。さっきまで意気揚々としていたオークリーダーも、大きなボウガンを操るゴブリンたちも、あんぐりと口を大きく開けて、驚愕を表現していた。


 そんなオークリーダーやゴブリンたちをストーンゴーレムは容赦なく蹂躙する。


 大きなボウガンをほっぽり出して蜘蛛の子を散らしたように逃げ出すゴブリンたち。オークリーダーの中にはもう諦めてしまったように無抵抗で殺される者もいたくらいだ。


 その中でも、絶望的な状況の中でまだ戦う意思を持つオークリーダー。彼らをゴーレムの連携を意識しながら倒していく。


 創ったばかりのストーンゴーレムは、当然だけどレベル一だ。


 実は、生きることを諦めて無抵抗になってしまったオークリーダーが考えるよりも、状況は悪くないのである。


 どんな状況でも、諦めないことって大切だね。

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オーク達からしたらゴーレムのスタンピードやろこれ……
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