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038 仮説とオークの帰る場所

 ツヴァイが指揮官オークと互角以上に戦えている理由。


 それは、ツヴァイのレベルが突出して高いのも理由の一つではあると思う。


 でも、それだけではない気がする。


 もし僕の仮説が正しいとしたら、今の一体一体レベル百のゴーレムを育てる方法よりも、大量のゴーレムを生み出して森のモンスターを殲滅する勢いで侵略した方が効率がいい。


 まぁ、その場合は僕のMPが足りるのかという問題もあるけどね。


 でも、もっと簡単な方法を僕は思いついていた。


 ゴーレムは自立して動くことができる兵器だ。


 つまり、自分で思考して、自分で体を動かしている。ロボットみたいなもの、というよりAIと考えてみた方がいいかもしれない。


 これは仮定の話だけど、もしツヴァイが今までの戦闘データから自ら学習し、最適な行動を取っているとしたら、そのデータを他のゴーレムにコピーすることは可能なのだろうか?


 『ガード・ゴーレム』において、ゴーレムの核はあくまで魔力の塊であり、物理的に存在しているわけじゃない。


 その魔力の塊ってそもそも何だろう?


 ツヴァイとしての意識? それとも、今まで収集したデータの集合体? 経験値の塊? あるいは、それらすべてが複合的に混ざり合ったものなのかもしれない。


 いままではゴーレムの核については考えてこなかったけど、これを機に研究してみるのもいいかもしれない。


 そんなことを考えながら戦況を見ていると、ツヴァイとドライが指揮官オークを相手にし、フィーアとフュンフはオークたちを片付けているところだった。


 どうやら、このフォーメーションが効率がいいと学習したのだろう。


 それを証明するかのように、戦闘は優位に進んでいるようだ。


 最初は強者に見えた指揮官オークも、今や片腕を失い防戦一方だ。


 指揮官オークを援護するように突撃してきたオークたちも順調に数を減らしている。中には逃げ出すオークの姿もあったほどだ。


 その逃げ出したオークはキャバリエゴーレムたちが追跡している。


 このオークたちは異質だ。森の中の村に住んでいたオークたちとは異なり、まるで教育された軍隊のように行動していた。彼らなりの戦術も確認できた。


 もし、彼らを軍隊とするならば、それを支える基盤が必要である。


 軍隊というのは金食い虫だ。これだけのオークを食事や装備面から支える組織があるはずである。


 少なくとも、オーク全員に専用の鉄製のハルバートを持たせるほどの力が必要だ。これは森の中の村で暮らしているオークたちにはできないことである。


 オーク用の巨大なハルバートを作るだけの、少なくとも鉄を錬成できるだけの文明があるはずだ。


 もしかしたら、オークの国、もしくは都市国家などがあるかもしれない。


 逃げたオークを追っていれば、いずれ答えにたどり着くだろう。


「あぅー……」


 それにしても……。


 僕はドライが指揮官オークの首を刎ね飛ばすのを見ながら考える。


 鉱山も欲しいし、オークの軍隊の問題もあるし、ゴーレムのさらなる成長の可能性、ゴーレムの核の実験もある。


 やりたいことが山積みだね。


 まぁ、一つずつ片付けていこう。


 まずは、オークの軍隊の出所を調査しなければ。


 戦場から逃げ出したオークたちは、複数のグループに分かれて森の奥へと向かって走っている。それらはすべて、キャバリエゴーレムたちによって追跡中だ。


 よほど怖い目に遭ったのか、オークたちは後先考えない全力疾走のようだ。


 僕としては、オークたちの本拠地を知りたいのだけど、この調子で大丈夫だろうか?


「あ……」


 一体のオークが、ジャイアントスパイダーの餌食になった。


 でも、仲間たちは助けようともせずに逃げ出してしまう。


 それも当たり前かもしれない。彼らは持っていたハルバートすら捨てて逃げ出しているのだ。


 今度はセンチピードの餌食になっているオークもいた。


 モンスター同士とはいえ、オークと森のモンスターは仲間というわけではないらしい。


 このまま一体のオークも本拠地に帰れなかったらどうしよう?


 そんな心配まで浮かんでくるほどだ。


 逃げているオークたちの通り道を、先にゴーレムで掃除しておいてあげようかな。


 僕はキャバリエゴーレムをオークたちに先行する形で走らせると、オーク以外のモンスターを見つけ次第攻撃していく。


 まったく、世話が焼けるなぁ。


 オークたちを彼らに悟られない形で護衛しながら森の中を進むこと七日。急に森が途切れ、明るい場所に出た。どうやら森を抜けたらしい。


 そこには疎らに木が生えた草原が広がっており、遠くまで見渡せた。


 だから、わかった。


 森から離れること五百メートルほどの地点に、大きな建造物があった。僕が赤ちゃんの時に行った都市を思わせる石造りの防壁で囲まれた場所だ。


 僕の追っていたオークたちは歓声をあげると、石造りの防壁に向かって歩いていく。


 どうやら、あの場所は村を襲ったオークたちと関係の深い場所のようだ。

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