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035 オーク軍発見

 製鉄技術がどれほどの文明レベルにあって、その難易度はどのくらいなのかは僕にはわからない。


 でも、オークの全員が鉄製のハルバートを持っていたということは、そのオークたちは製鉄技術を身に付けてから長い時が立っているはず。そして、それだけ発展した設備を、例えば街や都市を築いていたとしても不思議ではない。


 そして、その拠点を支えるほどの大量のオークたちがいるということだ。


 今まで、僕はゴーレムを使ってオークの村を襲撃してきた。


 でも、どの村にも鍛冶屋のような設備はなかったし、多くのオークの武器は棍棒だった。


 僕が襲撃してきたオークの村は、僕たちで言うところの前線の村で、オークにとってのトバイアスの街が森の奥にはあるのかもしれない。


 あれ?


 ということは、僕がオークの村を襲撃し続けたから、オークたちも本気を出して人間の村を潰しに来たということなのか?


 ひょっとすると、これってもしかして、僕のせいなのか?


 僕は、村が三つも潰されたのに援軍を出さない辺境伯に怒りを持っていた。


 もし、オークにも辺境伯のような存在がいるとすれば、軍を派遣してもおかしくない。僕の潰してきたオークの村は三つじゃ済まないからね。


 最悪だ。


 僕はランドール村を豊かにすることばかり考えて、他の村に対するケアを忘れていた。その結果が潰された三つの村だとしたら、僕は彼らにどうやって償えばいいのだろう……。


 それだけじゃない。


 オークたちの次の目的地は、このランドール村の可能性が高い。


 僕は確かにランドール村の防備を強化してきたけど、その異質なオークたちを受け止められるかはわからない。


 そして、もし村でオークたちを迎え撃つことになった場合、その先頭に立つのは村人たちだ。彼らは怪我も恐れず、勇敢に戦ってくれるだろう。


 しかし、もし当たり所が悪ければ? 怪我が悪化したら?


 もし戦死者が出てしまったら、僕はどう詫びればいい?


 もしかしたら、僕の考えすぎで、僕がオークの村を襲ったことと、オークが村を潰したことに因果関係はないかもしれない。


 でも、その可能性がある以上、僕は最善を尽くすべきであり、村人たちの力を当てにするのは最終手段だ。


 全力で、その異質なオークたちを殲滅する。この村に到達する前に。


 それは僕のできる唯一の償いであり、贖罪だ。


 無論、これだけで許されようとは思っていない。でも、そのための第一歩だと考えている。


「あうー……」


 正直、とても不安だ。


 僕の目指す最強ゴーレム軍団にはかなり遠い戦力しか用意できない。


 今の僕の力で不足はないだろうか?


 ええい! 悩むのは後だ! 今はとにかく行動あるのみ!


「あうおー!」


 やる気を出して拳を振り上げたら、持っていたスプーンが手からすっぽ抜けて飛んでいってしまった。


「あらあら、今日のクラークは元気ですね」

「子どもにはよくあることさね」


 が、がんばるんだから!



 ◇



「けふっ」


 昼食を食べ終わった僕は、両親の寝室のベッドの上で横になっていた。


 キャバリエゴーレムの数を増やして北の森の捜索をしているけど、未だにオークたちの姿は見つからない。


 大軍を維持するなら、そのための食料も必要だろうし、一度拠点に帰ったのだろうか?


 そんなことを考えていた時だった。


「んお⁉」


 いた! ついに見つけた!


 てっきり森の中にいると思って探していたけど、まさかの森の外の草原にいた!


 それは確かに異様なオークの集団だった。


 まっすぐに、どこまでも続くオークの三列縦隊。上に突き出たピカピカに磨き上げられたハルバート。誰が見ているわけでもないのに、まるで軍事パレードのように行儀よく行進している様はたしかに異様だ。


 これが本当にあの野蛮なオークなのか? 実はオークに似ているだけで、別のモンスターの可能性すら疑ってしまう。


 でも、その豚顔はどう見てもオークだ。


 ピンクの体毛の上半身は裸だけど、下半身にはまるでお相撲さんの化粧まわしのような黒い布を身に付けている。しかも、全員お揃いだ。


 本当に軍隊みたいに装備も一緒だし、行動が秩序だっている。


 これはもしかしたら、本当にオークの国が動いたのかもしれないね……。


 しかも、オークたちの進む方向は南。確実にここランドール村を狙っている。


「あう……」


 どうにかしないと!


「ふぅー……」


 僕はベッドの上に座り込むと、大きく深呼吸する。


 こういう時こそ焦ってはいけない。焦ってもいい結果が出ないことは今まで散々ゲームで教えられてきたことだ。


 今、手持ちの戦力と手札、MPを把握して、最善の手を打つべき。


 幸い、オークたちはまだこちらの存在に気付いていない。不意打ちのチャンスだ。


 ここから繰り出すべき最善手は何だ……?


「あう!」


 考えを巡らせること一秒弱。僕の答えは決まった。


 僕はオークたちを偵察していたキャバリエゴーレムをただの土塊にすると、三つに分けてオークたちの進行方向に飛ばす。

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