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031 弱肉強食

 この世は弱肉強食だ。


 だから、僕はみんなを守れる強さが欲しい。僕が強くなれば、このランドール村が襲われることもなくなるだろう。


 そしたら、みんな安心して暮らせるに違いない。


 そして、僕にはそのための力がある。お父さんたちがギフトと呼ぶ力だ。


 僕はゴーレムを創り、操ることができる。


 そして、ゴーレムを使えるなら、僕には前世のゲームで培った知識や戦術がある。これらを使って、絶対にこのランドール村を死守するんだ。


「あうおー!」

「ふふっ。クラークはご機嫌ですね」

「やっぱり初芋掘りが楽しかったのかねえ」


 やる気に満ちた僕だけど、そんな僕は今、お母さんとおばあちゃんにお着替えさせられていた。


 まだ自分で着替えるのは難しいからやってもらうしかないわけだけど、最初の頃はちょっと恥ずかしかったな。


 今はもう慣れたけど。もう何も感じないよ。無だ。もしかしたら、これが無我の境地かもしれない。


「たーい!」


 着替え終わった僕は、両親のベッドへとダイブした。ちょっと固いお布団が僕を受け止めてくれる。


「クラーク? 眠たいのですか?」

「初芋掘りで疲れたのかもねえ」


 そうにこやかに語っているお母さんとおばあちゃんから意識を外し、僕は脳内に浮かんでいる映像へと意識を向ける。


 ゴーレムのツヴァイは、あれから順調にレベルが上がって、今は七十五レベルだ。この調子でいけば、近いうちに二体目のレベル百ゴーレムが生まれるだろう。


 ツヴァイのレベルが上がっているということは、僕のレベルも上がっている。


 たまに鍛冶屋に砂鉄を集めて作ったアイアンゴーレムを渡すのだけど、それがあんまり苦ではなくなってきた。


 たぶん今ならば、アイアンゴーレムを創って、動かすこともできるだろう。


 でも、僕の目指すところはこんなもんじゃない。目指すは最強のゴーレム軍団だ。アイアンゴーレムなんてただの通過点なのだ。


 まぁでも、アイアンゴーレム以上のゴーレムって作れるんだろうか?


 例えばアイアンゴーレムの上のランクにはミスリルゴーレムがある。当然だけど、これはこの世界にミスリルがないと創ることができない。


 他にもアダマンタイトゴーレムとか、ヒヒイロカネゴーレムとかいるんだけど……。こっちも創れるのかどうか不安だ。


 もしかしたら、僕のレベルが上がれば、手から土を出したようにミスリルとかも出せるようになるのだろうか?


 そんなことが本当に可能なのかな?


 これは後で検証だね。


 まぁ、できなかったとしても、この世界にしかない金属でゴーレムが創れるかもしれないし、そこは楽しみでもある。


「はうあー!」


 疲れが出たのか、横になっていたらだんだん眠たくなってきた。


 ツヴァイも順調そうだし、寝ている間に回復するMPを消費しておくために、とりあえずツヴァイをロックゴーレムにしておこうかな。


 他にも、村を囲っている壁ゴーレムを順次ロック壁ゴーレムにランクアップさせていく。


 それでもMPが余っているな……。


 森の村に近い位置を巡回させているアインをアイアンゴーレムにしておこう。


 これでいいかな?


「ふぁー……」


 じゃあ、おやすみー。



 ◇



「あら?」


 わたくし、セシリア・ランドールは、ベッドの上で寝息を立てているクラークに気が付きました。


「寝ちゃったみたいですね」

「疲れておったんじゃろ」


 わたくしが小声でお義母様に話しかけると、お義母様も小声で応じました。


 赤ちゃんは本来、寝るのがお仕事ですからね。そっと寝かしておいてあげましょう。


「お義母様」

「うむ……」


 声をかけると、お義母様は名残惜しそうに寝室から廊下に出ます。


 わたくしもクラークの寝顔をもう一度見ると、寝室を後にしました。


「ほんにかわいい子じゃて。セシリアさん、お手柄でしたね」

「ありがとうございます、お義母様」


 お義母様は、クラークを溺愛していると言っても過言ではありません。辺境の貴族の悲願である領地拡大を為した子ですからね。わたくしも辺境の貴族の出ですから、クラークが為したことのすごさはわかります。


 まさか、辺境の貴族の悲願を一番最初に達成するのが我が子になるとは思いませんでしたが、クラークは土の精霊様に愛された御子様です。


 クラークの持つギフトの力はすさまじいの一言でした。


 その力は、人々に恐怖を与えないかねないほどに。


 こうなると、早いうちに悪魔憑きではないという言質を教会から取るという判断をした夫の先見の明にも驚かされます。


 普段はあまり考えてないように見えて、本当は誰よりも領地のことを考えている夫。そのことを思うと、わたくしまで誇らしい気持ちになって、この人がわたくしの夫なんだと無性に叫びたくなります。


「もうそろそろ次の子の顔を見れるかの?」


 わたくしは少しだけ顔が熱くなったのを感じます。


 もしかして、わたくしが夫のことを考えているのがわかってしまったのでしょうか?


「それは……授かりものですから」

「それはそうじゃの」


 そう言ってにんまり笑うお義母様。もしかしたら、からかわれたのでしょうか?

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