第拾九話 トモダチ(後編)
おそいな、夏は……。
――ドンッ!
昼休み、教室にそんな音が響いた。
「……何?」
自分の机に置かれた弁当箱を眺めていた流菜は怪訝そうな顔で流菜の机の上に音を立てて弁当箱を置いた城川に聞いた。
城川はフン、と鼻を鳴らすと、
「あんたと食べようと思ってさ……、悪い?」
と言う、すると流菜は自分の弁当箱に視線を戻し、
「……問題無いわ。」
と言った。
…………………………………………………
「だ、大丈夫かなぁ流菜……?」
その頃の屋上、陸は始や翔輝と昼飯を食べながらそう呟いた。
すると翔輝は、
「……うーん、まぁ、確かに桐島は人と喋らないからなぁ……。
なれた方が良いと思うぜ?」
と言い、始は、
「……そうそう、お前だってだから今日は桐島と一緒に食べてないんだろ?」
と言った。
……実は、陸は城川から「あの女と話がしたい。」と言う事で今日は流菜とは別に食べる事になったのだ。
「……まぁ、そうなんだけどさ……。大丈夫かなぁ……?」
陸は卵焼きを口に入れながらそう呟いた。
…………………………………………………
――モグモグ
――モキュモキュ
――「ねぇ、あんた……。」
――「……何?」
――「何か……、喋りなさいよ……。」
――「……話すこと、無いもの。」
――「……。」
――モキュモキュ
――「……。」
――「……食べないの?」
「……あんたねぇ……、バカじゃないの?」
城川は溜め息をつき、流菜に向かってそう言った、すると菜流は、
「……何が?」
と聞く、すると城川はビシッ、と流菜を指差し、
「あんたさ、人と食事するとき、人と喋ったりしないの?」
と聞く、すると流菜は、
「……陸くんとは、喋る。」
と言った。
それを聞くと城川は深く溜め息をつき、こう言った。
「……あんた、自分から話しかけたクラスメートとか、居るの?、……宮原とかは除くわ。」
……と、すると流菜は、
「……事務的な用件以外、必要ないもの。」
と言った。
「……あーもうっ、そこがダメなのよっ!」
城川は流菜の言葉を聞いた途端そう言って流菜を指さした。
それに対し流菜は何の反応も見せない。
城川は、
「あのね?、普通は友達がいた方がいいの。
友達が居ると話して楽しいとか思ったりひょっとしたら宮原に関する情報も入るかも知れないし、何よりあんた一日中宮原と一緒に居るでしょ?、流石にそれは宮原疲れると思うし、愛想つかされるかもしれないわよ?
まぁあんたらだからそんなことは無いと思うけどっ!
あーもうっ!、とにかく私はあんたと友達になりたいのっ!、だから私と友達になりなさいよ流菜っ!」
ここまで一息で言った城川はゼエゼエと荒く呼吸をする。
その様子をただ流菜はじっと見つめていたが、ふと、こう言った。
「……私なんかで、良いの?」
――と、すると城川は、
「……あんたみたいなのだから……、いい……、のよ……。」
と言った。
…………………………………………………
「……ありゃ?」
それからしばらくして教室に戻ってきた俺たちは驚いていた。
……何故なら。
「……あんたバカじゃないの~?
そんな事したらあんなエロ宮原なんか鼻血噴き出すわよ……。」
と城川が流菜に向かって言っている、それに対して流菜は、
「……エロって、何?」
と聞くと城川はニヤニヤ笑いながら、
「ちょっと~、あんたそんな事も知らないの~?」
と言う、すると流菜は真顔で、
「教えて?」
と城川に聞く、すると城川は顔を真っ赤にして、
「え!?、……だっ、ダメよ……。」
と言っていた。
「……あそこまで話せるって、……急に仲良く、なりすぎじゃね?」
それを見ていた翔輝はそう言った。




