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陸 ~人狼物語~  作者: 霧島雅狼
第弐章 陸~高校狼ドタバタ騒動記~
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第拾話 ポンさん

 「ウォォォォンッ!」


 満月の夜、俺は森で遠吠えをする。


 これがスッゲェ気持ち良くてスカッとするんだよね~っ!

 近くにいた兄は、


 「遠吠えだけはいっちょ前だな・・・、ベジタリアンの癖に。」


 と言ったので俺は、


 「何だよそれっ!」


 と言う、すると兄は笑いながら、


 「まだまだ子供だな~、陸は。」


 と言った。





 ――その次の日、俺は沢村先生の家に行った。


 この人はあの雪の日に俺のことを治療してくれた獣医さんだ。

 俺は毎月定期検診って事で来ている。


 ……でも年に一回の予防接種、あれ狼の姿でやらなきゃいけないんだけどクソ痛いんだよね……。


 まぁもう終わったけど、それと沢村先生はシャンプーが上手いし診察の後にくれるビーフジャーキーは本当に旨いんだ!



 と、言うわけで月一回の診察を沢村先生に彼女のことを何故か祝福されながらしてもらい、シャンプーをやってもらい、それから貰ったビーフジャーキーを食っていると沢村先生は、


 「ねぇ、陸君、今日彼女と約束があるそうだから少し悪いんだけど……。今日、空いてるかい?」


 と聞いてきた、俺は、


 「……えっ?。ハイ、30分くらいなら……。」


 と言った、そして俺のその言葉を聞いた沢村先生は、


 「じゃあ、ちょっと待ってて。」


 と言って別の部屋に入り、直ぐに一匹の犬を連れて戻ってきた。


 その犬は小型犬位の大きさで毛皮は薄い金色みたいな感じだった、そしてその犬は沢村先生に向かって、


 「こいつが……、例の狼?」


 と人の言葉で言った。


 俺は腰を抜かし、それから、


 「犬が……、喋ったぁぁぁっ!」


 と悲鳴をあげた、それを聞いた犬は、


 「君もも同じ様な物でしょ……。」


 と言ってため息をついた。




 ………





 「改めて紹介するね、彼はポン君、まぁ、君と似たようなもんかな?。」


 俺が腰を抜かしてから少し後、ようやくショックが収まった頃沢村先生は俺にそう言った、そしてそのポン、と言う名前の犬は、


 「よろしくね、宮原さん。」


 と言ってきたので俺はしどろもどろになりながらも、


 「あっ、ドモ……、陸です。」


 と言った、ポンさんは俺の身体をじろじろと見る、そして、


 「それにしても、僕の目が黒いうちに半覚醒とはいえ狼神の……、斑なんかに会えるなんて、感動だなぁ!。」


 と少し目をキラキラさせながら言った、俺は訳が分からず、


 「おおかみ・・・がみ?。」


 と言う、するとポンさんは、


 「えっ?、まさか君って……、本当に何も知らないの……?。」


 と心底驚いた顔で言った、それからポンさんは、


 「狼神って言うのは、昔のニホンオオカミの中でも特に力を持っているものたちの事だよ。ちなみに俺が言う力って言うのは腕力とかじゃなくて霊力とか超能力のようなものかな。」


 と言った、それからポンさんは続けて、


 「狼神にも種類がいてね、まずは純血種かな?。これはその名の通り純血のニホンオオカミの狼神だよ、だいたいは主に神社の神様とかをやっているんだって。


 次に混血種、これは純血種とフツーの獣が混ざった種類だよ。僕は父が純血で母はフツーのロングコートのチワワだよ。ちなみに純血種と人と交わって生まれた子供には出ないけど、その子孫に時々突然僕たちみたいになる人達もいるんだって、この人達は戻り狼と呼ばれるんだ。」


 と言った、俺は素直に「へぇ~。」と思った。


 そのままポンさんは話しを続ける、


 「後は白狼かな、これは純血種の中に時々生まれる珍しいのでね。メスしかいないんだって。でも力は最強。


 あとは白狼と純血種が交わると斑って種類が時々生まれるんだ、特徴は黒と白の毛で完全な人の姿にも狼の姿にもなれる種類でね、君がこれだね。」


 と言った、俺は、


 「へぇ~、斑……、でも力って何なんですか?、使うとどんな感じなんですか?。」


 と聞いた。すると突然龍さんは目の前で人、いや、人に近い姿になった、外見は20才くらい、背は高く、下半身と肩の辺りにはポンさんと同じ金色の獣毛が生えていた、そしてポンさんは驚いている俺に向かって、


 「まぁ人みたいな姿になったりとかで、こういう風かな?。


 僕たちは人の姿になっても動物の姿の時の獣毛が残っているんだ、完全に人になれるのは戻り狼と斑くらいだよ。」


 と言った、その時ふと沢村先生は、


 「そういえば陸君、今日って君の彼女と約束がしてるみたいだけど……、良いのかい?」


 と聞いてきた、時計を見るともう30分は過ぎていた。俺は慌てて人の姿に戻り服を着ると、


 「あのっ、ポンさん、沢村先生、ありがとうごさいましたっ!。それじゃあ、またっ!」


 と言って俺は病院を飛び出した。





 ………






 陸が出ていった後、沢村はふと犬の姿に戻ったポンに、


 「……そういえば、佐山は?」


 と聞く、するとポンは、


 「お墓参り、……今日、命日だから。」


 と言った、それを聞いた沢村は、


 「……そうか、もうあれから7年も経ってるのか……。」


 と言った、それから少し二人は沈黙した、やがてポンは、


 「……さて、弘さん、約束は守ったんだから、例の件は頼んだよ?」


 と言った。

 いっきに秘密暴露……。

 細かい補足は活動報告で書かせて頂きます。

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