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奇想短編箱:へのへのもへじの枠に収まらなかった物語たち  作者: 杉勝啓


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風さそう さんまの匂いよりも

むかし、むかし

男がいました。


男は語りました。

「にゃんにゃん鳴くのはやめておくんなさいよ。にゃんこが鳴くのを見るのを嫌さに笑って生きるにゃん三郎。他猫が鳴くのを見るのもつろうござんす」


男はある武士の家に生まれましたが、母の違う弟に家を譲るために家を出たのです。旅から旅の旅にゃんこです。


ある宿場町にきたとき、鳴いているにゃんこがいました。

「どうしたんたい?お嬢さん」

「あ、旅人さん、実はサンマを咥えていたのですが、裸足の女が追いかけてきて、サンマを奪っていったのです」

「なんて、ひどい女だ!人間じゃねえ!たたっきってやる」


男は女の家に行きましたが、そこには舟に乗って、サザエ カツオ ワカメを作った男が待ち構えてました。男はその男に倒されました。


男は最後に辞世の句を詠みました。


風さそう サンマの匂いよりも 我は また、大根おろしを いかにとやせん


おわり

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