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第四十六話:揺れる心

昼休み。

教室の窓から光が差し込んでいる。

学生たちはそれぞれ昼食を食べながら話していた。

笑い声。

小さな会話。

いつもの昼休み。

でも。

ラフリの周りだけ――

少しだけ静かだった。

ラフリは席に座っていた。

机の上にはパンが置いてある。

でも。

ほとんど手をつけていない。

視線は教室の中を動いていた。

ミサキ。

ユイ。

ナツキ。

三人は教室の後ろで話している。

時々。

こちらを見ている気がする。

その時。

ユナが席から立ち上がった。

弁当を持っている。

ラフリは顔を上げた。

「ユナ」

ユナは少し迷った顔をした。

「今日さ」

「ミサキたちと食べていい?」

ラフリの手が止まる。

「……なんで」

ユナは少し困った顔をする。

「最近あんまり話してないし」

「久しぶりに一緒に食べようって」

ラフリはミサキたちの方を見る。

三人は笑いながら話している。

でも。

ラフリには違って見える。

何かを隠している。

胸の奥がざわつく。

ユナは言う。

「すぐ戻るから」

ラフリは何も言わなかった。

数秒。

沈黙。

ユナは小さく言う。

「……だめ?」

ラフリはゆっくり首を振った。

「……好きにしろ」

ユナは少し安心した顔をする。

「ありがとう」

ユナはミサキたちの方へ歩いていった。

ラフリはその背中を見ていた。

ミサキたちのグループ。

ユナが加わる。

四人が笑う。

普通の光景。

でも。

ラフリの胸の奥では。

違う感情が広がっていた。

距離。

壁。

その時。

ナカムラが近くの席で友達と話していた。

「ユナってさ」

「優しいよな」

タカハシが笑う。

「確かに」

「でも最近ラフリがな」

ナカムラが小さく笑う。

「過保護すぎる」

ラフリの耳に入った。

拳が机の上で少し握られる。

その時。

耳の奥で。

残響。

『……奪われる』

ラフリの目が動く。

『また』

『同じだ』

声は消えた。

ラフリはユナの方を見る。

ミサキたちと笑っている。

楽しそうだ。

でも。

ラフリの心の中では。

別の考えが広がっていた。

あいつらが近づく。

あいつらが壊す。

その頃。

ミサキたちのグループ。

ユナは少し笑っていた。

ミサキが言う。

「ユナさ」

ユナが首を傾げる。

「なに?」

ミサキは少し言いにくそうに言う。

「ラフリって」

少し迷う。

「大丈夫?」

ユナは驚く。

「え?」

ユイも言う。

「最近ちょっと怖いよね」

ナツキが小さく言う。

「怒ってるみたいな顔してるし」

ユナは少し黙った。

ラフリを見る。

窓際の席。

ラフリは静かにこちらを見ている。

その視線は。

少しだけ鋭かった。

ユナの胸の奥で。

小さな不安が生まれる。

その頃。

ローズは少し離れた席で本を読んでいた。

でも。

耳は会話を聞いている。

ローズは小さく呟く。

「綺麗な形ですね」

窓の外を見る。

「あと少し」

「ほんの少しで」

放課後。

教室には数人の学生が残っていた。

ユナは荷物をまとめている。

ラフリは窓の外を見ていた。

沈黙。

ユナが小さく言う。

「ラフリ」

ラフリは振り向く。

ユナは少し迷って言う。

「最近」

「大丈夫?」

ラフリは答えなかった。

ただ。

小さく言う。

「……気をつけろ」

ユナが聞き返す。

「え?」

ラフリは教室の中を見る。

ミサキ。

ナツキ。

ナカムラ。

全員の顔を順番に見る。

そして言う。

「このクラス」

「何かおかしい」

ユナは少し困った顔をする。

「ラフリ…」

でも。

その言葉は届かなかった。

教室の後ろ。

ローズは静かに立っていた。

そして。

小さく微笑む。

「もう少しですね」

遠くの屋上。

ミヤコは空を見ていた。

空のヒビは。

また少し広がる。

ミヤコは楽しそうに言う。

「ラフリ」

「心が割れる音」

「聞こえてきたよ」。

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