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40.新月の祠



「夢の果て、その色は黒。鮮やかな世界などは存在せぬ。虚無の世界に消失の光を燃やせ黒魔法【黒点消失(バニッシング)】」



「ぎ、ギィィィッ!!」



 Dランク キングホッパーが昆虫の見た目に似つかわしい悲鳴を上げてその身体を黒の光に喰いちぎられて絶命する。



「ふぅ、やっぱりそのメモ凄いね。魔物の特徴と加護まで書いてあるからDランクの魔物相手にもわりと安全に立ち回れるよ」



「うん。それにマップの正確さもかなりのものだよ。罠の位置まで書いてあるから、そこに気を使わなくていいぶん戦闘に集中出来る」



「ミギブのやつなかなかやりますわね」



 Cランクダンジョン新月の祠にソラ達が突入して3時間が経過していた。ソラ達は格上のダンジョン相手に比較的安全に踏破していっている。



 その理由は二つ。一つはミギブから渡されたダンジョン攻略のマップの性能。そしてもう一つは



「ねぇ、ソラ君このダンジョンって魔物の数って少ないのかな? あんまり魔物に出会わないよね。それに会うのも虫とか鉱物系の魔物が多い気がするんだよね」


「いや、前きた時はもっと魔物はいたしむしろ獣系の魔物が多かった。ミギブさんの攻略マップにのってる魔物も1番多いのは獣系だし」



「でもまったく会わないね」



「確かに少し不気味ですね」



 そこで少し不穏な空気が流れる。



「そうだ! ここまでずっと休憩してなかったんで少し休みませんか? もう少し行ったところに見晴らしのいい平地になってる場所があるみたいです。そこなら魔物からの奇襲にも対応できます」



 場の空気を変えようと努めて明るい声を出す。



 そんなソラの気持ちを2人は汲んで



「うん。そうだね。わたしももうクタクタだよ」



「ええ、朝作ってきたお弁当にしましょう。私もお腹が空いてきました」



 それぞれそう口にしたあと、ソラの後ろに続いて休憩地点を目指し歩き始める。



 そしてしばらく歩き、ミギブの地図に書かれた休憩地点に到着するや否やその場に立ち尽くした。



「な、何これ!? 戦争でもあったの?」



 ヨルが思わずそう口にしたのも無理はない。



 そこは岩肌がめくり上がり、ダンジョンの壁の至る所が崩れ落ち、無数の魔物の死体が転がっていた。極め付けは平地のど真ん中に空いた巨大な空洞だ。



 ソラはミギブからもらった地図を何度も確認し、ここがマップに示された休憩地点であることを確認する。



 そんなソラの隣でルナが不安そうに眉を寄せる。



「……ソラさんなんかこことてつもなく危険な気がします」



「なんか死んでる魔物もただ死んでるんじゃなくて何かに食べられてたみたいにお肉がなくなってるんだけど……こんなのおかしいよ」



「確かにこれは普通じゃない。急いで帰りましょう。それでダンテさんにこの事を報告して、至急調査をしてもらいましょう」



 そう言って急いで踵を返そうとした時だ。




「ギィェェエエエエエエえええええっ!!!!!」




 腹の底を掻き混ぜる様な不気味な鳥の鳴き声がダンジョンに響いた。




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