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39.準備②

「ポポの実の傷薬に呪い避けの聖水。予備のナイフ。うん。この店で買うのはこれくらいかな」



「たくさん買いましたねソラさん」



「5件もつきあせちゃってすいません。でも次で最後なのでもう少しだけ付き合ってください」



「もちろんです。私はまわるお店が多い方がソラさんと入れる時間が多くてうれしいですから。次はなんのお店にいくんですか?」



「次は酒場です。そこである人と待ち合わせをしているので」



「待ち合わせですか」



「あれ? なんかルナさん怒ってます?」



「酒場で待ち合わせって相手は女性じゃないですよね」



「違いますよ。男の人です。それもルナさんも知っている人です」



「私がしってるソラさん以外の男性ですか。基本的にソラさん以外はみんな同じ顔に見えるんですよね」



「あははは、まあ、まず会いましょう。そうしたらきっとルナさんも思い出しますよ」



☆☆☆―――☆☆☆



「おー、ソラ。早かったな。といっても俺はさらに早かったから先に一杯いただいてるけどな」



 モダンな雰囲気の店内のバーカウンタ―で一人の男が手を上げる。



「すいませんお待たせしましたミギブさん」



 ソラを待っていたのはかつてグリードのパーティーで供に冒険をしていた男グリードだ。



「あら、あれはクズじゃないですか」



「ひどい言われようだな。まあ、あんたになら何て言われてもいいや。とにかくソラこれが例の物だ」



 丸められた羊皮紙をソラに投げる。



「なんなんですかそれ?」



「それは俺が調べた新月の祠のマップと出現する魔物の一覧だ」



「実はミギブさんに新月の祠に行くって話をしたら情報を調べといてやるって言われまして、お言葉に甘えさせてもらったんです」



「なんたってあそこは因縁のダンジョンだからな。これくらい力になるさ。おい、それより早く中身を見てくれよ」



「あ、はい。って、なにこれ凄い! 魔物の種類どころか使う加護まで書いてある。こんなのお店でも売ってないですよ」



「ふふ、その顔を見れたなら努力したかいがあったぜ。二度と俺は弟を失うつもりはないからな。俺のもてる術を尽くして調べた上げた。それとこれは餞別だ。受け取ってくれ」



 懐から何か取り出しソラに投げた。



 それを右手でキャッチする。



「これは、腕輪?」



「ああ、そいつは『月の涙(ルナ・ティア)』っていう装備だ。Bランクの冒険者でも装備する正真正銘一級品のアイテムだ」



「Bランクの冒険者の装備品!? そんな一体いくらするんですかこれ! こんなのもらえませんよ」



「いーや。お前はもう受け取ったんだ。その証拠に今その腕輪を持ってるのはお前だろ? なに大事に使ってくれればいいからよ。じゃあ、俺の用はこれで済んだ。マスター金はここに置いてくぞ」



「ちょっとミギブさん! 待ってくださいよ」



 ソラが自分の隣を素通りするミギブを追いかける。そして追いつき月の涙を返そうと差し出した時、ミギブがソラの髪をクシャッとつぶすように撫でた。



「その月の涙は昔弟が欲しがってた装備なんだ。墓の前に備えようか悩んだけどお前に渡すのが一番いいような気がしたんだ。いいかソラ、ダンジョンに絶対はない。だから絶対死ぬなよ」



「……ミギブさん。わかりました。僕は絶対に死にません!」



「ならよし!」



 ミギブは満足したように笑うとそのまま店を後にした。



 ソラは手にした銀色の柄の中に黄金の月が彫られた腕輪を感謝するように撫でた後、自らの腕にはめた。



ミギブ(・・・)。なかなかいい男ですね。ソラさんの足元には及びませんけど」



「うん。間違いなく最高の兄貴だよ。これで準備は十分すぎるほど整った。さあ、いよいよ明日、新月の祠に挑戦だ!」



 力強くそう言い切った。そしてパーティーはいよいよダンジョン挑戦の朝を迎える。


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