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32.レベルゴースト

★★★―★★★―★★★―★★★―★★★―★★★



「つまり話を整理すると『授かる者』のもう一つの能力のことは知っていたけど僕が他の女の子とキスするのが嫌で黙っていたってことでいいですか?」



「はい。その通りです。ごめんなさい」



 先ほどの騒動から少し時間が経ち、ソラが今までの経緯をまとめる。



 一方のルナは後ろめたさから自発的に正座し身体を小さくまとめている。



ヨルはというとさっきのソラとのキスの感触が忘れられずポーッと頬を赤らめ放心している。



「そんな謝らないでください。別に怒ってるわけじゃないです。ただ、ルナさんが僕に教えてくれなかったのが寂しかったんです」



「うう、すいません」



「ちなみに他に加護について隠していることはないですよね?」



「ないです! ほんとにないです。私が知ってる『授かる者』の能力は二つ。一つが私とのキスで魔物の加護を手に入れる。二つ目がソラさんに好意のある者とのキスでその者の加護をランダムに一つコピーするです。ただ私が言うのもなんですが、私も加護の全てを知ってるわけではないですから他に隠された力がないとも言い切れませんが……」



「わかりました。信じます。でもコピーの能力は一度だけなんですね」



「もし、新しい能力を手に入れたかったら持ってる能力を使用した後に『リセット』と唱えれば加護一覧から加護が消えるので再度入手可能になります」



「逆に言うと『リセット』さえしなければずっとその加護を持ち続けることが出来るんですね」



「そういうことになります。だからもし、コレという加護に巡り合えたらそのまま持ち続けることをお勧めします。そのほうが私以外の子とキスしなくてすみますしね♪」



「でもそれって逆に言ったらほしい加護を持ってる人がいてキスしてもその加護が手に入らなかったら一度使ってリセットして、またキスしてを繰り返せばいいってことだよね」



「うう、それはヨルさんの言う通りです。ですからソラさん。もしやむを得なく私意外とキスするときは必ず一回で目的の加護を手に入れ下さい!」



「えっ、だって手に入る加護はランダムなんですよね!? それを一回でってそんな無茶な」



「ダメです! 絶対にキスは一回までです!」



「ぜ、善処します」



 ルナの強い目力にソラが気迫負けする。



「え~私は逆にソラ君にはハズレばっかり引いてほしいなぁ。ねえソラ君『黒魔道』より『地獄の門(ヘルズゲート)』の方がいいんじゃない? すごい強いよ『地獄の門(ヘルズゲート)』♪」



「ぬっ!」



 無邪気にそういうヨルの声が耳に入るや否やルナが即座にソラを睨む。



「あ、ああ。えっと、今のところは『黒魔道』でいいかな。『地獄の門(ヘルズゲート)』で強化できるのは黒属性だけだから、僕一人だとその恩恵を受けられないし」



 その言葉にルナがうんうんと満足そうにうなずく。



 しかし



「そっかぁ、残念~。でもまた違う加護がほしくなったらいってね。すぐ交換してあげるから」



 ヨルの言葉に再びソラを睨む。



(えっ、この感じ今日ずっと続くの!?…… こ、心がもたない)



 ソラが冷や汗を流した時、ソラの横を何かが物凄いスピードで通り過ぎる。それと同時に身体から力が抜ける。



 脱力とは違う。うまく言葉にできないが自分自身が弱くなったような感覚。



 不気味としかいえない感覚に本能的にステータスを開く。



 するとそのステータスに驚愕する。



「レベルが下がってる!?」



 ソラの現在のレベルは本来ならば25だ。しかし今表示されているレベルは24そしてステータスも全て下がっていた。



「ソラ君あれ『レベルゴースト』だ!!」



 ヨルが叫んで指さした先には幽霊のような形をした銀色の鎌を持った魔物が物凄いスピードでソラ達の元から走り去ろうとしていた。



「あれが、レベルゴースト!? 初めて見た」



 レベルゴーストはダンジョンに極めて稀に発生する魔物で、その手に持つ鎌で切った相手のレベルを奪う魔物だ。どのダンジョンにも存在する可能性もあるし存在しない可能性もある激レアモンスター。



 レベルを奪うという特性から冒険者たちからは忌み嫌われる存在だが、逆に大きなチャンスを与える存在でもある。



 なぜならレベルゴーストを倒した際に得られる経験値は今までそのゴーストが奪ってきた経験値となるからだ。どのゴーストがどの程度レベルを奪っているかはわからないが、もし倒すことが出来たならその恩恵はかなり大きい。



 だがゴーストはAGIに特化しており、レベルを奪った後は脱兎の加護を使いAGIをさらに上げるためその討伐難易度はかなり高い。熟練の冒険者でも加護の相性が悪ければただただゴーストにレベルを奪われ逃げるさまを眺める他ない。



「追いかけなくちゃ! 【俊足】」



 ソラの持つ最速の加護である俊足。それを発動させ全力で地面を蹴る。物凄いスピードでレベルゴーストの元へ跳ぶ。



 しかしレベルゴーストのスピードは俊足を使ったソラのスピードをさらに上回っており、その距離は詰まるどころかさらに開く。



「そんな、僕のレベルが……」



 悔しそうに顔を歪め言葉を吐き出す。その時だった。



「開け冥界の門。我の前にその姿を見せよ【地獄の門(ヘルズゲート)】」



 ソラの後方で大地が割れ、禍々(まがまが)しい地獄の門が現れた。


なんか昨日のアクセス数がいつもより多い気が。これがヨルちゃんのキスの力!?

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