31.新しい加護の覚醒~ヨルとのキス②~
「どうしたの? ソラ君?」
「いや、今頭の中で。もしかして、でも、そんなことが……ステータスオープン」
急いでステータスをオープンする。そして加護一覧に目を走らせる。
「やっぱりある。『黒魔道』の加護が僕に備わってる!」
「えっ!? 黒魔道って私の加護の?」
「うん。間違いないと思う。ヨルちゃんとキスした後に発現したし声もそう言っていたから」
「ちょっとまってソラ君。ステータスオープン」
ヨルが自分のステータスを確認する。
「ちゃんと私の加護にも黒魔道がある。ってことは私とキスするとソラ君は私の持ってる加護を使えるようになるってこと?」
「たぶんそういことだと思う。ルナさん何か知ってますか?」
「えっ、な、なんでしょう。よくわかりませんねぇか~」
おびただしい汗を流しながらルナがエメラルド色の瞳をあっちにこっちに泳がせる。あまりの汗の量にそのドレスが透け、純白の肌が布越しに顔を覗かせる。
「そうですか。でもこれはすごい発見だよヨルちゃん」
「そうだねソラ君。ねえ、もしかしてもう一回私とキスしたらソラ君に他の加護も渡せるんじゃないかな」
「え!? もう一回ソラさんとキス!?」
「確かにその可能性はあるかも。ヨルちゃんもう一回キスしてもいいかな?」
ソラの言葉に少し恥ずかしそうに頬を染めながらヨルが「……うん。いいよ。もう一回しよ♡」と甘えるような声で口に出す。
そして再びソラがヨルを抱き寄せ、唇を重ねる。
「んッ、んッ♡」
それに合わせるようにヨルも口を重ねる。
「ああ、ちょっと待って、ちょっと待てください! 早まっちゃダメですぅ!」
「ねえ、ソラ君。私の加護は全部で9個あるから、あと8回キスできるね」
「8回!? あと8回もする気ですか!? そんな何回も私以外とキスしちゃダメですぅ~!!! そんなに何回もキスしても意味ありませんから。『授かる者』でコピーできる能力は一つまでです! 新しい能力をコピーしたかったら一度コピーした能力を使用してからじゃないとコピーできません!!!」
ルナがお互いのことを探るように唾液を交換する二人を引きはがしながら絶叫する。
そして引きはがされたソラがルナの方を向く。
「ねえ、ルナさんそれどういうことですか? さっきヨルちゃんとキスしても何も起きないって言ってませんでしたっけ?」
表情こそ笑顔だが、その笑顔の中にかすかな怒気を感じ、ルナは思わず一歩後退する。
「いえ、その、私が言ったのはヨルさんとキスしても魔物の加護は得られないってことでぇ~、ヨルさんの加護を手に入れられないとは一言も言ってないといいますかぁ~」
両手の人差し指同士をツンツンとつつきながらあからさまに目を反らすがソラはそんなルナに笑顔を崩すことなく
「ル・ナ・さ・ん~?」
圧をかける。
いつも見る笑顔とはまったく別種のソラの笑顔。そこから放たれるプレッシャー。必死に言い訳を考え頭を回転させるが、ちらりと見たソラの笑顔がだんだん強くなっているのを見て、身体をシュンと小さくさせ
「う~~、ごめんなさい~~~!!」
とうとう頭を下げた。
ようやくあらすじに書かせてもらっている二つ目の加護の力の登場です。
使い方によっては万能の力ですね。ソラ君はどんどん強くなりますね。そしてルナさんはソラ君に対してだけは女性じゃなくただの女の子になってしまいます。




