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30.新しい加護の覚醒~ヨルとのキス~

 えっと。僕の加護はルナさんとキスしないと何も効果を発揮しないと思う。そうだよねルナさん」



「え、えっとぉ。そ、ソウデスネ。マモノノカゴヲエラレルコトハナイトオモイマスヨー」



「なんで片言!?」



 明らかに動揺して、目を泳がせるルナ。



「魔物の加護がダメなら私の加護は? 私の加護でソラ君を助けることはできないの?」



「そ、それは」



「ねぇ、ルナさんさっきから様子がおかしいけど大丈夫?」



「だ、大丈夫ですよ。全然私は問題ありません。もしかしたらさっきのキスで興奮しすぎて頭に血が上り過ぎてしまったのかも」



「えっ、大丈夫!? そういうリスクがあるならダンジョンでキスするのは今後禁止にしなくちゃ」



「大丈夫です。気のせいでした。全然さっきのキスは関係ありませんでした。むしろ身体中に力が漲ってきて、今なら何が相手でも勝てる気がします」



「それはそれで怖い気もするけど」



「そんなことよりもソラ君、ルナさん。私のキスじゃソラ君を助けられないのかな?」



「気持ちは嬉しいけど、あくまで加護を得られるのはルナさんとのキスだけなんだ」



「そっか、私の加護をソラ君に渡せたら絶対にソラ君のためになると思ったのに」



「うっ、心が痛い。でも、ソラさんが私以外の人とキスするのも嫌ですし」



 ルナが頭を抱えてう~う~唸る。



「とにかく、今は前に進もう。このダンジョンで出来るだけたくさんの魔物を倒して加護の強化とレベル上げをしよう。それで早いうちにDランク冒険者になれるように頑張ろ」



 ソラが話題を変えるとルナも頭をコクコクと何度も上下させる。



「そうですね。まずはダンジョン攻略です。そのためにヨルさんにパーティーに入ってもらったんですし。さあ、急ぎましょう。ヨルさんの加わった私達ならあったと今にこのダンジョンを攻略できますよ!」



「なんかルナさん焦ってない? 怪しい」



「そんな怪しくなんてないですよ。ただ私は効率を考えて行動をしてるだけですので」



 あからさまに視線を逸らす。その頬には冷たい汗が流れていた。それをヨルは見逃さない。



「ねえねえ、ソラ君こっち向いて」



 ソラの服の袖をチョコッと引っ張る。



「どうしたのヨルちゃん。えっ、」



 ヨルの後ろ髪をくくっている大きなリボンがポニーテールの髪と一緒にゆれる。



 そっと、ふれあう唇。悩むようにヨルの舌先がソラの唇にちょんとあたる。掴まれた服の袖が小刻みに揺れている。



 その顔は真っ赤で、目もギュッと瞑っている。ルナとする時とは違う初々しくて守ってあげたくなるようなキス。



 反射的にゆっくりと優しく抱きしめる。そしていつもとは違いソラがリードするようにキスをする。



 時間が経つにつれてきつく瞑っていた目がトロンと溶け始めヨルの口から甘い声が漏れ始める。袖を握っていた手は、いつの間にかソラの両腕ごとその身体を抱きしめていた。



 どう息をしたらいいのかわからなくて息を止め、苦しいけど、それでもこの甘い時間をもっと過ごしたくて必死に舌を動かす。いつの間にかソラを抱きしめる力は強くなる。



「ぷはっ、ソラくん。好き」



 息が続かなくなり、唇を離すとヨルとソラはお互いの頭を寄せ合い頬と頬を重ねて耳元で会話をしあう。



「僕もヨルちゃんのこと好きだよ」



 そう言ってお互い無言で見つめあう。そして柔らかい舌を伸ばしもう一度唇を重ねようとする。その時



「だめですぅ~~~! それ以上は見てられません。私の心臓が壊れてしまいますぅぅぅううう」



 ルナが泣きそうな顔で二人の間に割ってはいる。



「「はっ」」



 そこでようやく二人は我に返る。



 さっきまでは完全に相手同士しか見えていなかった視界が一気に広がる。そして急に恥ずかしくなり、その距離をとる。



「あ、あ、ソラ君。キスってすごいね。あんな風になっちゃうんだ」



「う、うん。そうだね。でもびっくりしたヨルちゃんがいきなりキスしてくれる」



「なんかどうしてもしたくなっちゃって。それに今キスしたらソラ君に私の加護を渡せる気がしたんだ」



「それはさっきも言ったけど無理だよ。僕が増やせる加護は魔物の加護だけだから」



 その時ソラの脳内に懐かしい透明な声が響いた。



―――ヨル・ブライトとのキスにより加護【黒魔道】をコピーしました。



「え?」



 ソラは思わずその場で声を漏らした。


 ナイトランドでは10歳から結婚が認められているので12歳のヨルちゃんがソラ君と結婚することも可能です。

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