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28.Dランクダンジョン

「常闇よ。深淵の縁よりその右手を伸ばし死者の同胞としてその者を迎えよ【深穴への導き(ナイトホール)】」



 地面に発生した黒穴から無数の手が伸びDランクのハイコボルトを掴む。そしてそのまま闇の中へと引きずり込み穴ごと消滅した。



「ふぅ、なんとか倒したよ!」



 ヨルがその場でぴょんと跳ねながらガッツポーズをする。



「黒系統の魔法ですか。かなり珍しいですね。ナイトランドのユグドラシルは魔法系統の加護は身体強化が多いのに」



「そうですね。黒系統は世界的に見てもほんの一握りしか使い手はいないって言われていますからね。しかもそのほとんどが魔女の国ホロウラインにいることになってますし」



「でもあの黒魔法がヨルさんの加護の切り札なんですか?」



「いえ、黒魔法も相当強力ですが違います。ヨルちゃんの持っている加護は黒魔道を成長させるんです」



「成長ですか?」



「ええ、そうです。きっとルナさんも見ることが出来ると思いますよ」



「それは楽しみですね」



「あっ、ソラ君レベル上がったよー」



「おめでとうヨルちゃん。というよりもヨルちゃんだいぶ戦い慣れしてるね。Dランクの魔物相手に全く引けを取らないどころか完全に圧倒してるし」



「そうだね。moonで使う素材を取りに何度かダンジョンに潜ったことあるし、ミルさんが私は自分の加護を使いこなさなきゃいけない時が来るからって、戦い方とか加護の使い方を教えてくれたんだ。その時にDランクのダンジョンまでなら潜ったことあるよ」



「ちょっと待ってDランクって!? ヨルちゃんのレベルっていくつなの? 」



「私のレベルは23だよ。ソラ君に抜かれちゃったね」



「うそ? レベル23って冒険者で言ったらDランククラスだよ! 僕はルナさんの助けと加護のおかげでここまで上がったけど、ヨルちゃんは普段は働いてたんだよね」



「そうだよ。でも私の場合は元冒険者のミルさんに助けてもらいながらだから。それに黒属性はある程度の相手だったら一撃で倒せる魔法もあるからそれで効率よくレベル上げできたんだと思う。私のステータス見る?」



 そう言ってヨルが意識を集中させステータスを表示させる。



名前 ヨル・ブライト Level 23

年齢 12


性別 女


HP 330

ATK 210

DEF 185

AGI 260

DEX 240

加護 黒魔導、魔女の祝福、魔法操作、料理の道、魔攻変換、魔眼―操作―、精密射撃、地獄の門、輪廻



「絵にかいたようなバランス型だね。弱点という弱点がないし、それに加護が強すぎる」



「まあ、それで苦労してきたからね。いまだに輪廻はどういう加護かわからないし、地獄の門(ヘルズゲート)のせいでだいぶ面倒ごとに巻き込まれたから」



「その地獄の門(ヘルズゲート)というのがヨルさんの特別な加護なのですか?」



「うん。この地獄の門はかつてのSランク冒険者が持っていたって加護なんだって。加護って応用力が高い加護ほど同じ加護でもその人の才能とか努力で技の威力は変わるでしょ。この地獄の門は黒魔道の加護を門に通すとその力を何倍にも引き上げてくれるの」



「それはまたえげつない能力ですね。強力な魔法をさらに無条件で強化するのですか」



「うん。だけど私のレベルだと一日に一回が限度かな。それ以上使うとキューって倒れちゃうから」



「それにヨルちゃんの地獄の門は何も攻撃だけじゃなくて、防御の魔法も能力向上の魔法の力も強化できるから状況によって使いわけができて応用性がとんでもなく高いんです」



「ルナさんにも今日みせれたらみせるね」



「本当ですか? それは楽しみです。でも、その前にソラさんとの距離が近いのでまず離れましょうか?」



 今、ソラはヨルのステータスを見るためにその隣に腰かけている。ソラが覗き込む形でステータスを見ているのでその距離は頬と頬がくっつきそうな程近い。



 ヨルが動くたびにその髪からシトラスの爽やかで甘い香りがソラの鼻孔をくすぐる。



 それほどまでに近い距離。そこにルナが嫉妬しない理由は何一つなかった。



 だが、その言葉にヨルも引かない。近づけた体をさらにソラに寄せる。



「ルナさん聞きましたよ。ルナさんはソラさんの大切な人ではあるけど、恋人とかそういう人じゃないって。 つまり私にもチャンスはあるってことです。私だって5年間ずっと好きでいたんです。簡単に諦められません!」



「えっ!? ヨルちゃん」



 そう言ってソラの腕を絡め自分の胸元を寄せる。



「なるほど。宣戦布告とういうわけですね。いいでしょう。受けて立ちます。ソラさん。今日は何体の魔物を倒しましたっけ?」



「えっと4体かな」



「ということはソラさんはまた4つ強くなれるというわけですね。ここなら魔物もいません。今強くなっちゃいましょう」



「ルナさん今はヨルちゃんもいるし、それに加護のこと知られたくないんじゃ」



「どちらも関係ありません」



 そういうとソラに近寄り、その顔を近づける。ソラの腕を大事そうに抱え込みながら何事かと不思議そうな目で見るヨルをちらりと見た後、ソラのあごをクイッと右手で上げそのまま強引に唇を奪った。


世界に八本存在するユグドラシルになる命の実の加護には偏りがあります。

今まででてきた国をまとめると


ナイトランド:身体強化、魔法強化など何かを強化する加護が多い。発現する魔法の加護は白属性が多め。

サラマンドラ王国:武器・武具の扱いを上昇させる加護が多い。発現する魔法の加護は赤属性がほとんど

サンドランド:投てき系統、操縦系統、相手の能力を低下させる加護が多い。発現する魔法の加護は黄属性が多く、緑属性もちらほら発生する。

ホロウライン:魔法に関わる加護を多く発生させる。発現する魔法の加護はほぼすべてが黒属性、稀に灰色属性が生まれることも

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