24.レベル上げ②
「ソラさん。そちらに行きました!」
「うん。大丈夫ちゃんと見えてるよ。【鬼火】」
ソラの手が青色の炎に燃えるその手で近づいてきていたリーフアントを薙ぎ払う。
「ギィィィィーーーーっっつ」
文字通り葉っぱに擬態した身体を持つ大きな蟻が断末魔を上げて仰向けに倒れ絶命する。
「ふぅー、だいぶ倒したね。レベルも上がったし、加護も増えた。じゃあルナさん今のリーフアント分のキスをお願いしてもいいですか?」
「はい♪ よころんで」
そういうとルナはそっとソラの唇に自分の唇を重ねる。そしてゆっくりとその舌をソラの中へと忍ばせる。それに応えるようにソラもその舌ルナの舌に巻き込ませるように重ねた。
「んふふ、ふぉふぁはん(ソラさん)、ふぃふ(キス)ふぉふぉふふぃふぁっふぇふぁふ♡(上手になってます)」
舌を絡ませたままトロンと潤んだ目でそういうとソラは恥ずかしそうに顔を背ける。背けた顔に優しく白雪のような手を添えて自分の方をみさせてやる。
ルナの魅惑的な表情に魅せられながら少し俯きただただ舌を絡ませる。
そして口を離すと紅い舌を伝って細い糸が二人を繋ぎとめようと糸を引く。
「うう、やっぱり恥ずかしい」
「でもソラさんからキスのお願いをされたのでドキッとしちゃいました」
そう言って右手の人差し指を自分の舌先に当てて顔を赤らめる。
その魅惑的なポーズに心臓が高鳴り、思わず暴走しそうになる自分の身体を抱きしめた。
「うふふ、我慢しなくてもいいのに♡」
「ルナさんだんだんキスするたびに大胆になっていってませんか?」
「だってソラさん。どんどんキスが上手になるから興奮しちゃったんです」
「一日に7回もしたら僕でも少しは上達しますよ。でもいくらしても胸のどきどきはなくならないですね」
左胸に手を当てて上目遣いでへへへと笑って見せるソラを見てルナが大きくのけぞった。
「はふっ、かわいい。かわいすぎます!! ああ、どうしましょう。もう一回キスしてもいいですか? 加護もなにもあげられませんけどソラさんを好きって気持ちは伝えられると思います!!」
「好きって!? そんな、あっ、ちょっとまってくださいルナさん。そうだステータス。まずステータスをみさせてください」
「え~、しょうがないですね。でもステータスの更新はソラさんの大事な楽しみですものね。我慢します♪」
口を尖らせながらも今度はソラの隣にちょこんと座りソラがステータスの更新をするのをルンルンと待つ。
そんなルナの横で少し照れながらソラがステータスを表示する。
名前 ソラ・スフィア Level 16
年齢 15
性別 男
HP 142
ATK 87
DEF 65
AGI 190
DEX 300
加護 授かる者、俊足、氷針柱、操糸術、鬼火、空歩、硬化、ギ酸、擬態
「あっ、『擬態』の加護が増えてる! よかったぁ、ジャイアントアントと種族が同じだからまた加護が『ギ酸』で何ももらえなかったらどうしようかと思ってたんです」
「そういえばグリーンスパイダーとウッドスパイダーは両方とも『操糸術』でしたね。わたしも魔物同士で加護が被ることがあるというのは知りませんでした。それにステータスもだいぶ上がりましたね」
「うん。ルナさんが手伝ってくれたおかげでいっぱい魔物を倒せたから」
「ええ、いっぱいキスできましたね」
何かを思い出し幸せそうな顔をするルナの横でハハハと照れ笑いをする。
「それに手に入った加護も良いものばかりです。Eランクの魔物だからあまり良いものは手に入らないのかと思ってたんですけどそんなことはなかったみたいです」
「そうなのですか? あまり強そうなものはない気がするのですが」
「確かに単体でみれば『氷針柱』が一番火力があるけど、コンボを考える他の加護もとても凄いと思います。例えば『俊足』の弱点は踏み込む力が強い分移動する際に身体が浮いて、移動の方向が変えられないこと。でもさっき倒したソライロ小人から手に入れた『空歩』を使えばその弱点から逃れられます。こんな風に【俊足】」
ソラが加護を発動させて一気に大地を蹴る。さらに高速で移動する最中で
「【空歩】」
を発動する。するとソラの足がライトブルーに輝き空中にまるで足場があるかのように、空気を蹴り、移動の方向を変えて地面に着地する。
「さらにこれを応用すると、【空歩】、【俊足】、【空歩】」
再びソラの足が輝く。さきほどと違うのはその色がライトブルーと白色の光が混ざりあっているということだ。そして空を蹴るとソラの身体は空中で猛スピードで加速して移動の方向を変えた。
「こんな風に普通なら不可能な空中での高速移動が可能になります。それに自分の周りにしか発生させられない『鬼火』も『操糸術』と合わせて糸に点火させれば遠距離攻撃が出来るようになります。この応用性が『授かる者』の大きな強みですよね」
ニコッと笑うソラを見てルナが瞳をキラキラと輝かせて
「すごい! すごいですソラさん。そんな使い方があるなんて私は少しも考えませんでした。やっぱりソラさんは天才です。神様です!」
「いや、そこまでじゃ。でもまだ課題はあります。単純に加護を手に入れただけじゃうまく扱えないものもあります。例えば『操糸術』は糸を出すことはできますけど、まだうまく操れなくて狙ったところに打てないどころかこんがらがっちゃうので練習が必要ですね」
「ソラさんならすぐですよ。もしかしたらもう使えるようなっちゃってるかもですよ。一回使ってみて下さい」
「流石にそれは少し無理がありますよ。うっ、」
そう言って断ろうとしたがルナの目はランランと輝き期待に満ちた視線をソラにさしていた。
「わかりました。でもあまり期待しないでくださいね。【操糸術】」
ルナの頭上目掛けて糸を飛ばす。しかし糸は狙った軌道から大きくずれてルナの方へと向かっていく。
「あっ、」
ルナが小さく声を上げる。それもそのはずだ糸はルナの身体をグルグルに縛っていったのだから。ピッタリ目のドレスが糸のせいでさらに身体に張り付きその肢体を透けさせる。
「ごめんなさいルナさん! すぐにほどきますから。って、あれ!?」
すぐにほどこうと焦って思いっきり糸を引いてしまう。当然のごとくルナがソラの元へと引き寄せられる。さらにその光景に焦り手元をわちゃわちゃと動かしてしまった結果。
「ソラさんもしかしてわざとですか?」
ソラとルナがぴったりと密着し、二人の身体の周りをぐるぐると糸が巻き付けていた。
にんまりと笑うルナを見てソラはその顔に豊満な二つの柔らかい感触を感じながら
「わざとじゃないです~~~~!!!」
と、必死に弁明するのだった。
「ほんとソラさんってかわいいです♪」
この後はソラのナイフで糸を切って脱出しました。
やましいこと? もちろんなにもございませんでしたよ。たぶん……




