20.冒険者試験②
「いいか。試験内容はいつも通りだ。今から闘技場にギルドがテイムしている魔物を5体放つ。そいつらを全て討伐すれば試験クリアだ。ただし一匹でも打ち漏らしたらその時点で失格。さらに俺が危険だと判断して試合を中断してもそこで終わりだ。いいな」
「はい。大丈夫です」
円形の闘技場の中心でそう言ってホルスターから黒色の刃を持つナイフを引き抜き構える。
(なっ!? 黒曜石のナイフだと。低級冒険者が持っていいような装備じゃないぞ。それにあの柄に刻まれた紋様どこかで見たことある。アイツどこからあんなもの仕入れてきたんだ)
「ダンテさん。いつでも始めてください」
思わずソラの抜いたナイフに気がいってたダンテはその言葉に我に返る。
「お、おお、悪かった。いいか今回で最後だ。悔いの残らないようにするんだな。では試験開始!!」
ダンテがそう宣言すると同時に空中に五つのクリスタルを投げた。それぞれのクリスタルが発光し魔法陣を描く。
現れたのはGランク巣潜りラットが二体、Fランクの魔物レッサーウルフが二体、Eランクの魔物アッシュイーグルが一体だ。
「がんばれ~ソラさーん! 瞬殺ですよ。瞬殺♪」
闘技場の観客席からルナの無邪気な応援が送られる中、ルナの裸を目的としたギャラリーの冒険者たちは
「あれ? なんでGランクの試験なのに魔物が5体もいるんだ? そもそもレッサーウルフもそうだけどよ、アッシュイーグルはEランクでも高位の魔物だろ。あんなのFランクの俺でも勝てねぇぞ」
「確かに俺の試験の時は巣潜りラット三体討伐だったな。さてはダンテのおっさんもルナちゃんの裸が見たくてウスノロが絶対受かんないようにしてんな」
「あ~なるほど。あのエロジジイやるな。あ~でもあのウスノロは帰りは傷だらけで涙流して帰ること決定だな。Gランクの試験なんて見応えなくてつまらねぇと思ってたけど、ウスノロが逃げ回ってボコボコにされる姿が見れるなら多少は見る価値あるかなもな」
「ちげーねぇ。ギャハハハハハ!!」
下品な笑い声を響かせていた。
「ちょっとあなた達、今ソラさんのことをバカにしま……」
その声に敏感に反応したルナが抗議するよりも早く、冒険者たちの顔の横を鉄串がかすめた。
「なっ!?」
飛んできた方向を見るとそこには背の小さい冒険者の恰好をした男がいた。
「おっと旦那方わりぃ。食ってた牛焼きの串を滑らしちまったよ」
「てめぇミギブ! グリードの腰巾着がっ。グリードが死んで頭までおかしくなったのか」
「はは、どうだろうな。でも確かに世界を見る目は変わったよ。お前ら自分より格下の奴が永遠に自分より下でいてくれるなんて甘い考えは捨てたほうがいいぞ。俺は昨日あの蒼い瞳に燻ってた炎が燃え上がるのを確かに見たからよ」
「ギャハハハハ! やっぱり頭がおかしくなっちまったなミギブ。言ってることが意味不明だ」
「論より証拠だ。さあ、戦闘が始まるぜ」
そう言って闘技場の中心を指さした。そこではソラのもとへ二体の巣潜りラットが悠然と突進をしかけていた。
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