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12.ソラとステータス

「す、すいません。わざわざおんぶしてもらっちゃって」



「いーえ、全然大丈夫ですよ。私の方こそ先ほどは守って下ってありがとうございます」



 ソラがウルフを討伐してから15分ほどが経過した。



 現在ソラは美女におんぶしてもらいながらダンジョンを進んでいる。



「ほんとにすいません。初めて魔物を倒して安心したら腰が抜けちゃって。大丈夫ですか。重くないですか? やっぱり治るまでどこかに降ろしてもらったほうがいいんじゃないですか?」



「ソラさんはぜ〜んぜんッ重くないですよ♪ むしろちゃんとご飯食べてるのか心配になるくらいです。それにこんなダンジョンの中で動けない人間を置いといたら、あっという間に魔物に殺されちゃいますよ。だから大人しく私におぶられててください」



 その言葉にソラは申し訳ない気持ちで



「わ、わかりました。ありがとうございます」



 一言そう言っておぶられたまま頭をさげた。



「あ、あの。少し質問しても良いですか?」



「もちろんです! 身長からスリーサイズまでなんで聞いてください」



「えっ!? あの、いやそんな、僕の聞きたかったのは名前とか」



「ふふ、冗談ですよ。やっぱりソラさんは可愛いですね」



 焦って否定するソラに悪戯っ子のような笑顔を向ける。美女が振り向くとその長く柔らかい金色の髪がソラの顔をくすぐる。



 大人な女性の見た目と子供のような仕草に思わず顔が赤くなるが、美女は一言「かわいいですね」と言った後、ソラの返事を待たずに言葉を続ける。



「私の名前はルナです。月の光っていう意味ですよ」



 その名前を聞いた時この女性にピッタリの名前だと思った。綺麗で細い肢体に優雅な立ち振る舞い、それにすれ違う人々の全ての目線を盗んでしまう月光のような黄金の髪。



 それに自分の前でコロコロ変える表情もまるで月の満ち欠けのようでその全てがこのルナという名前を象徴しているかのようだった。



「ふふ、ところでソラさんって名前素敵ですよね。まさにソラさんにピッタリです」



「えっ、いや、そんなことないです。母は僕に大空のような全ての人を包み込む人になって欲しいって付けてくれたんですけど、全ての人どころか身近な人、大切な人一人さえ守ることができませんでした」



 悲観的にそう呟くソラに、ルナは一辺その目を真剣なものに変える。



「ソラさん。人は最初から万能じゃありません。ソラさんにとっては今会ったばかりの私はあまり強い言葉を使えません。それはソラさんの感情を乱暴に逆撫でるだけだから。でも、これだけは言えます。あなたの優しさに守られた人だってたくさんいるんです」



「はは、ルナさんは優しいですね。でも僕なんて誰も救えてないです。それどころかいつも誰かの足を引っ張ってばかりで、みんな僕の事を『ウスノロ』ってバカにしてます。そんな人間に守る力なんて備わってないですよ」



「いいえ。私はソラさんに守られました」



「さっきの戦いは偶然が重なっただけです。それにアレは僕の力じゃなくてルナさんの力です。ルナさんが魔物の力を僕に貸してくれたから勝てたんです。それにしてもルナさんの加護は凄いですね。『授かる者』でしたっけ? 魔物の力を相手に渡せるなんて」



「それ本気で言ってるんですか?」



「ええ、あの時は一瞬ついに僕も加護が使えるようになったのかと思いましたが、僕が食べたのはハズレの実です。僕に加護が芽生えるはずはないんです。アレはルナさんが僕に力を貸してくれたんでしょ? 」



 ソラの瞳をジッと見つめる。それは嘘をついてる人間の目ではなく自分を信じてあげられない人の目をしていた。



 その瞳を見て複雑な表情をした後、ルナは優しい声で言う。



「ソラさん。気持ちを集中してゆっくりと自分の心の中の力を見通すように魔を込めてステータスを表示してください」



「え?」



 急な申し出に困惑の表情を見せるが真剣な表情に押され、言われた通り集中する。



 すると頭の中に深い水面のような情景が浮かぶ。



 そして水面にポツリ、ポツリと水滴が落ち波紋が広がる。そこから現れるのはソラのステータスだ。



名前 ソラ・スフィア Level 12

年齢 15

性別 男

HP 82

ATK 65

DEF 45

AGI 110

DEX 210

加護 授かる者、俊足、氷針柱



「これって、加護が! 僕に加護がついてる! それにステータスも上がってる!?」



「当然です。狼達を倒したんですから。落石じゃなく直接ソラさんが止めを刺してたらもう少しレベルも上がってたかもしれません。どうですこれでさっきの加護が自分の者だと信じてくれましたか?」



「でも、でもそれじゃあルナさんは一体何者なんですか? だってルナさんとキ、キスして初めて僕は加護が使えるようなったんですよ!」



 その言葉にルナはソラをその場に降ろし、優雅に一礼しながら言葉を紡ぐ。



「私の名前はルナ。ルナ・ユグドラシルです。私はこのナイトランドを守る『月』のユグドラシルの娘で、5年前ソラさんに優しく食べて頂いた『命の実』です」



「そ、そんなことって!?」



「だから言ったじゃないですか。私はソラさんから離れちゃうと死んじゃうって。私とソラさんは一心同体なんです。それともう2度と私のことハズレの実なんて言わないでくださいね。私怒っちゃいますよ?」



 少しむくれたように頬を膨らませるルナを見てソラは呆然と口を開けることしか出来なかった。


ソラのステータスは武器補正の入っていない状態のものです。

なお、HP ヒットポイント、ATK 攻撃力、DEF 防御力、

AGI 素早さ DEX 器用さです。

この数値とプレイヤースキル、加護が戦闘では重要になってきます。

ソラはプレイヤースキルで眼と理解力がかなり高かったりします。

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