【十一、二日酔い】
毎年七月七日の七夕にSF短編を投稿するという『七夕一人企画』を実行しています。今年もなんとか「星に願いを・2016」をお届けできそうです。七夕の「織姫と彦星の物語」に因んだSF短編をご堪能くださいませ。【七夕一人企画・2016】
「アテクシ、ルキァさんの歓喜の叫びを初めて聞きましてついついうれしくなりまして。それで飲んだことのないアルコールとやらをグビグビと飲んでしまいました。いやぁ、こんな失態を招くとは思ってもいませんでした。重ねておわびと御礼を申し上げま……イテテ。頭が割れそうに痛いですぅ」
頭を下げたアクティは頭を抱えたまま座り込んでしまった。
「大丈夫なの、アクティ? 今晩が勝負なのよ。分かっている?」
イスに登るようにして座ったアクティは、テーブルにヒジをついてしかめ面をこちらに向けた。
「もちろん、大丈夫ですからご心配は無用に。アテクシ、これでも全ての業務を完璧にこなすと自他ともに認められている男でございます。この程度のことでへこたれていては……あたた」
「無理しない方がいいわよ。寝た方がいいかも」
ルキァがひどく心配した顔でアクティに語りかけた。
「いえ、お気遣いなく。一時間ほど前に『ALDH(アルデヒド脱水素酵素)増強剤』を飲みましたから。ただし、これが効き始めるのは六時間後からですので、今は少々つらいのですがね。ははは」
アクティの笑顔は相当にゆがんでいた。
「アクティさん、あのぉ、やっぱり休んだ方が……」
私は見るに見かねて声をかけてしまったが、アクティは右手を上げて私を制止した。
「お心遣いはありがたいのですが、今晩の作戦をご説明してその準備をしなければなりません。ネペンドンをあのままにして夜を迎えることは大変に危険な行動ですからね。ブリーフィングを済ませたら、アテクシも少し休ませてもらいますので、どうかご容赦を」
先ほどまで苦しそうだったアクティが、いつの間にかトップセールスマンの笑顔を取り戻していた。
「さぁてと。それでは今夜の採集作業のあらましをご説明いたします。疑問がありましたら、その時点での質問をお願いします。その場ですぐに解決して、全員で情報の共有をしましょう」
アクティは、マイクロ3Dビューアーをテーブルの中央に置いて、雄弁なプレゼンテーションを開始した。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
【七夕一人企画の宣伝】
毎年七月七日に個人で勝手に騒いでいる『七夕一人企画』です。
今年で十年の節目を迎えるこの企画、一人で勝手に七夕SF企画なのですが、自分の小説が毎年一つずつ積み重なっていく楽しい企画です。




