第四話:気になるあの子は転校生(メイド)
第四話
最後に立っていたのは生徒じゃなかった。どうみてもメイドだ、お手伝いさんだ。黒のワンピースに白いエプロンをつけている。
仕草だって優しそうでなにより微笑んだら男のハートを撃ち抜けるぐらい綺麗だ。
「海原波恵です。奏様のお世話係をしております。皆さま、よろしくお願いいたします」
凄く大人びた印象を与える微笑みだった。これで結構な男子がいちころりとなったようだ。
「メイドさんだ。この目でメイドさんを見た……死んでもいい」
「メイドさんだぞっ。あの人が死神だったら喜んで魂差し出してた」
「男の浪漫だな……ああ、俺はなぜ金持ちに生まれなかったんだ」
「一人目の転校生が波恵さんを連れて転校してきてたら今頃土の下だったな」
それだけの価値はあると思う。お隣の不良っ子も物珍しそうな視線を向けている。
「あれがメイド服かぁ……ちょっと着てみてぇな」
「絶対に……似合わな……」
「あん?」
「似合うと思いますです、はい」
心温まる隣人との会話は置いておくとして、女子からはまるでパンダみたいな扱いである。
俺は先生に『この学園はメイド服登校オーケーなんですか』と目で訴える。
「え、えーと、彼女はこうみえて皆さんの一つ上ですよ夢川君」
しかし、どうやら先生は俺のアイコンタクトを違う意味で捕らえたらしい。
「……うぐっ、転校してきた子から先生より大人びてますねってアイコンタクトが来た」
「……ぐさっ。担任の教師から年増だと思われました」
四季先生と海原さんが同時にダメージを受けたようである。
「四季先生は幼く見られて困ってるんだよ」
「そうなのか」
「ああ、そんであっちのお手伝いは年増に見られるのがいやらしいな」
「十七か十八だろうからねぇ……というか、さっきの心の声が聞こえたから」
「四季先生は二十五だ」
「そっか……そらぁ……きついね」
四季先生は見た目が幼いからな。仕方がない。
こんな感じで転校生の紹介は終わってしまった。
転校二日目の俺のところには誰も来ず、転校してきた美少女達に人が散ってしまっていた。
「うわー、これからの学園生活どこにどんなものがあるのかわからないから不安だなー」
辺りを見渡してみる。千鶴は既に帰ってしまい、他の生徒は俺以外の転校生にご執心だ。
「……帰るか」
ため息しか出なかった。
まさか、俺の転校生ライフが色物集団に蹴散らされるとは思いもしなかった。
さて、今回のメンバーが出そろいましたかね。登場人物はまだ出ますが、ヒロインはこんなところでしょう。非現実的でありながらリアリティを求めて始める今回のお話……一つぐらいはバッドエンド仕込みたいですね。今まで以上の気合を入れて取り組みたいと思う所存です。感想、意見、その他諸々受け付けております。




