国語
国語の授業で、自身のクラスの教室に登場した近藤が、生徒たちに言いました。
「本日行うのは俳句だ」
そして、教え子たちがにらんだ通り、生徒に創作させるのではなく、自らが考えて短冊に書いてきたおかしな句を詠み上げたのです。
「近藤が 今度行くよと 言ってるよ」
嘘だろ? と生徒たちは思いました。ダジャレ? しかも、普通は嫌で絶対にしないだろう、自分の名前を使うなんて。それに、季語がないから俳句ではなく川柳です。単語の一つひとつはまともですけれども、これほどふざけた句を作れることに、彼らは逆に感心してしまいました。
「近藤さん 今度はあれを くださいな」
なんと、同じダジャレをかぶせてきました。加えて、あれをくださいとは何なのか、まったく意味不明です。これほどふざけた句を作れることに、生徒たちはまたしても感心してしまったのでした。
「近藤さん あなたは立派な 教師です」
な、な、なんと、しれっと自分が素晴らしい教師であると生徒たちに刷り込ませようとしました。しかし、当然その魂胆はバレバレです。さらに、恥ずかしそうには微塵もしていません。これほどふざけた句を作れることに、生徒たちは初めて近藤を尊敬してしまいそうになったくらいでした。
そのような具合に、近藤は己の名前のダジャレを中心とした句を詠み続け、どうだと言わんばかりの鼻につくうぬぼれフェイスを今回もするおまけまでついたのでした。
「では、最後は詩で締めくくるぞ」
授業の終盤に、そう告げて、今度は詩の価値を失墜させる行いに出ました。
これが、その近藤による詩です。
〈近藤よ もっとわんぱくになれ
いやいや 十分わんぱくだぜ 近藤さん
え? どこが? 全然そうは見えませんけど
そうは見せないところが粋なんざんす 近藤はんの
近藤め かっこがよくて うらやましい
え? どこが? 全然そうは見えませんけど
そうは見せないところが粋なんざます 近藤どんの
とにかく とにかく 近藤のことで みんなの頭はいっぱいなのさ!〉
生徒たちの心中をお察しください。




