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回想は好ましくない
文学賞狙いの小説において、「回想」は好ましい手法とは言えません。
理由は単純で、回想が挿入された時点で、物語の答えがある程度書かれているからです。
回想とは、過去を安全な場所から語る行為です。
語り手はすでに現在に立っており、その過去を「生き延びた存在」になっています。
つまり、回想が成立している時点で、登場人物は少なくとも致命的な破綻を迎えていないことが確定しています。
文学賞では、「どうなるかわからない状態」が維持されているかが重視されます。
文学賞狙いの小説に求められるのは、整理された過去ではなく、崩れるかもしれない現在です。
中には回想かどうかさえ、わからないものがありますが、こういうのは論外です。




