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先生と私の恋愛事情  作者: 羽鳥藍那
高校編 - 中
46/87

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 あれから四日経って、真理佳ちゃんから呼び出しを受けました。

 相羽家に着くと真理佳ちゃんしか居なくて、美紀ちゃんも呼んでいるとの事だったので、リビングに通してもらいます。

「翔真君は?」

「ママと一緒に眼科へ行ってる。左目の検査予約が入っていたから」

「で、まだ顔色悪いけど大丈夫なの? 無理していない?」

「無理は、してるかな。殺されてしまった子達も見ているし、私も殺されかけたしね」

 そこまで答えてくれたところでチャイムが鳴って、美紀ちゃんがお菓子やジュースを抱えてやって来ました。そのままリビングでお菓子をつまみながら話を聞きます。


 パッと言われたならば荒唐無稽のホラ話と真に受けなかったでしょうが、人の生き死にで嘘や冗談を言う子ではないし、亡くなった子らの合同葬儀が昨日行われていて、その現実と辻褄が合います。

 それでも、異空間に閉じ込められて魔物を退治したなんて、やっぱり信じきれませんけれど。

 彼女にとっては、思い出したくはない光景のはずですから、そちらの話はそれくらいにして、翔真君との関係についての話を急かします。


「あのね、翔真はママの友達の子供なんだって。ご両親ともに亡くなっていて、身寄りが無かったから引き取ったって聞いたの。だから、結婚も出来るの」

「だからって、急に結婚を前提にっておかしいでしょ」

「そうよ。ずっと二人で片思い状態だったのに、どうして?」

「向こうでね、翔真から告白を受けたの。まだ双子だと思っていたから、気持ちだけの関係になるけれど愛してるって。だから私も愛してますって誓ってね。そしたら、家に帰ってきて血の繋がりは無いって教えられてね、翔真がパパたちを説得してくれたの」

 翔真君がそこまでの行動に出たのなら、彼のこれからはより前向きになって行くでしょう。ならば、真理佳ちゃんを安心して任せられます。なので二人を祝福して、別の問題を考えなくてはいけません。


 美紀ちゃんとは話していたけれど、須藤さんが亡くなってしまった今、クラスの女子は三竦みの状態には戻れないはず。島崎さんが尚一層、真理佳ちゃんを排除しようとするでしょう。

 ならば彩萌ちゃんにも協力をお願いして、秘密を洩らさずに真理佳ちゃんを守れる体制を作る必要があります。

「島崎さんって、なぜか男子に人気が有るわよね。それでも、島崎さんよりじゃない男の子ってどれだけいると思う?」

 そう問いかけると、美紀ちゃんが「聞いてあげようか?」とスマホを取り出しました。相手は誰だろうと考えましたが見当が付かなくて、探るような目でいる私に笑いながら釈明してきます。

「夏休みに入るちょっと前に告白されてね。神崎君と付き合う事になって、メアドとか交換しているんだ」


 がっかりです。最初に彼氏が出来たはずの私が、一番険しくて何もかもが最後になりそうだと、釈然としないものを感じている間にも、目の前では恋バナが繰り広げられています。

 そうしているうちに翔真君たちが帰ってきたので、入れ替わる様に私たちは相羽家を後にしました。

「美紀ちゃん。彩萌ちゃんと神崎君の件、よろしくね」

「わかった。沙織ちゃんは彼氏を癒してあげてね」

「そうしたいんだけどね。電話くらいしか出来ないから、もどかしいのよ」

「そっちは協力できないから、こっちの件は任せて!」

 そうして別れてすぐ、圭祐さんに『大丈夫ですか?』とメッセージを入れましたが、既読が付かないまま家に着いてしまいました。不安は募るものの、こちらから会いに行くことは出来ません。

 昼間ですから、むやみに電話を入れて関係が露呈するのは避けたいです。

 でも、会いたい。会って励ましてあげたい。


 気を紛らわせようと、道着に着替えて道場へ向かうと、圭祐さんの車が停まってるのが見えて思わず駆け出してしまいました。

「おう。子供たちに、ちゃんと教えられているそうじゃないか」

「そんな事より、大丈夫ですか? 無理してませんか?」

 すでに事件は大々的にニュースに乗っていて、道場の誰もが圭祐さんの置かれた立場を理解しているので、奥で話して来いと部屋を貸してもらえました。

 館長の心遣いに感謝です。


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