↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
98/120

このままで済むとは思えない 01

 伝助は実際には、拓人たちと歳が一緒だから順調にいっていれば今年度卒業のハズ、今回はたまたま助太刀で参加となったが、一体どんな気持ちで卒業生を見送るのか。


 一方スーちゃんは、教えてはくれなかったがどうも2コ上らしい、しかし同級生として一緒に卒業。近頃は出席日数がどうにか足りたとかで、あまり学校内でも見かけることはなくなった。変化も『修了』したので外でもほとんど見かけない。わざわざアパートを訪ねて行く気もしないし。どうして好きこのんで『コケツ』に入らねばならんのだ、コジもいないのに。しかもヤツは「最後に必ずオマエを殺る」と宣言していたし。奴のアパート何かに入り込んだら、一体どんなトラップが仕掛けてあるか分かったもんじゃない。


 くわばらくわばら。


 しかし卒業式には来るのだろうか? もしかしてその時に殺されちまうかも、と拓人、腕にやや鳥肌。

 それでも久々に変化が集まるのは、嬉しい気もしているし。


 あかねにもつい「ユキも卒業式呼べよ」と言ってみた。聖ニコの式は3月1日なのでこちらの式にも家族として列席できるだろう。しかし

「なんで? 誰が何の得になるのよ」

 と軽く鼻で笑われた。


 オレのアイディアは単に一時の感傷なのかも知れないな。

 そう感じつつ、独り教室から出て行こうという時に

「おい」

 聞き覚えのあるドスのきいた呼びかけ。ドアの影に隠れていたらしい。ぐいっと襟を掴まれて拓人思わず

「うわっ、で~た~な~~~」久々に見る学ランのスーちゃん。道掘り姿もコワいが、学ランバージョンもまたとっても怖い。泣いてちびる。

「なまんだぶなまんだぶ頼むジョーブツしてくれー」

「オマエはしなくていい、そのまま地獄に堕ちろや」

「金なら返したよなー、こないだ」

 スーちゃんはぱっと手を離した。

「ばかか。オレはマジな話で来たんだよ」

 あごで示され、明るい窓際までついて行く。

「なんだよ、マゾな話って」

 ばしっ、とハリセン並みの威力で殴ってからスーちゃんは拓人の襟髪ひっつかみ

「とにかく口閉じてついて来やがれ」

 ぐいぐいと引っ張って行った先は、屠殺(とさつ)場、いや印刷室だった。


「何だよここ、何で印刷室なんか……、分った、オレをあのシュレッダーにかけてミンチにして海に棄てるつもりだな」急にスーちゃんの真顔を認め、「あ、違うか」少し考えてから拓人「違う、その目は……分った」ぱっと目を輝かせる。

「コクハク?」

 スーちゃんの無意識の鉄拳がボディーに鮮やかに入り、拓人悶絶。


「ミンチにする前にひとつ、話がある」

 スーちゃんの声はしかし、あくまでも静かだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。