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ほほえみデンタルクリニック、異世界で開業しました  作者: ポン吉
第9章『ほほえみデンタル、食卓のぬくもり』

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04.白穀、実食の時

「晩御飯の準備ができましたよ~」


智子はクリニックの方へ顔を出し、後片付けをしているみんなへ声をかける。

診療後のクリニック。

器具の片付け。

チェア周りの掃除。

洗い物。

それぞれが動いていた。


その声に最初に反応したのはあすかだった。


「わ~い!!今日のおかずは?」


「生姜焼きと豆腐の味噌汁」


美里が答える。


その瞬間、大和のお腹が盛大に鳴った。


ぐぅぅぅぅぅぅぅ。


あまりにも大きな音に、全員が一瞬止まる。

そして、そのまま笑いが起きた。


「大和くん、すごい音したねぇ」


「ううう……腹減ったっス」


大和はお腹を押さえながらしゃがみ込む。

あすかは笑いながら肩を叩いた。


「そんな盛大に鳴る?」


「仕方ないじゃないっスか~」


その様子を見ながら、真人は小さく笑う。

そして、白穀のことを思い出したように口を開いた。


「さて、白穀を食べてみようか」


その言葉に全員が頷く。

片付けも一段落し、そのまま自宅へ戻っていく。


智子と美里は顔を見合わせる。

そして、笑顔になる。


あのおいしさびっくりするだろうな。


そんなことを思いながら歩いていた。


一方。

あすかと大和は少し後ろを歩いている。


「あ~~~~……どうなっちゃうんだろう」


あすかは小さく呟く。


「怖いっスよ~~……とりあえず、院長に先に食べてもらいます?」


「それがいいかも……」


2人はこそこそと会話をする。

すでに実食済の人物がいるとも知らずに。


自宅へ戻ると、食卓にはすでに晩御飯が並べられていた。

生姜焼き。

豆腐の味噌汁。

キャベツの千切り。

そして、白く輝くご飯。


「おおお!!この色とか輝きはまごうことなき白米!!」


真人は食卓に並んだご飯を見て感動する。


お茶碗に盛られた白く輝く粒。

湯気も立っている。

見た目は完全に白米だった。


あすかもお茶碗を見つめながら頷く。


「こうしてみるとほんとによく知っている白米ですね」


真人は席へ座る。

そして、お茶碗を見ながら口を開いた。


「先に食べていいかな?」


「どうぞどうぞ。院長から食べてください」


大和は即答する。


「ほほえみデンタルのトップですからね」


「先にどうぞ」


智子と美里も続く。


真人は笑いながら箸を持った。


「いっただきま~す」


そのまま白穀を一口食べる。


あすかと大和はごくりとその様子を見守る。

智子と美里はにやける。


真人の口が止まった。


「う………」


あすかと大和は同時に青ざめる。


(ああああ……やっぱり駄目だったんだ)


一方。

智子と美里は期待に満ちた顔で真人を見ていた。


(さぁ、院長。驚いて)


次の瞬間。

真人は勢いよく顔を上げた。


「うますぎる!!!」


その声に、あすかと大和は固まる。


真人はそのまま夢中で白穀を食べる。


噛めば噛むほど甘みが増す。

もうこれだけでいい。

おかずなくてもいける。


真人は幸せそうに白穀を噛みしめる。


「はぁ〜〜〜……生き返る……」


そして箸をいったん置き、大きくため息をついた。


「やっぱ日本人は米なんだよなぁ…」


その様子を見て、あすかと大和も恐る恐る白穀を口へ運ぶ。

智子と美里はニヤニヤしながら見守っていた。


「おいしいよ。これは我々が食べている白米だ」


真人は笑顔で頷く。


その言葉を聞き、ほかのスタッフたちも白穀を食べる。


「あ……おいしい……」


あすかは目を丸くする。


「ほんとッスね」


大和も何度も頷いた。


そのまま、みんな夢中で白穀を食べ始める。

食卓には自然と笑顔が広がっていた。


「2人とも。今日はお米……白穀を見つけてきてくれてありがとう」


真人は改めてあすかと大和を見る。


「いえいえ」


「なんとか見つかってよかったッス」


大和は笑いながら答える。


その横で、智子は白穀を見ながら口を開いた。


「流石に2キロじゃすぐなくなっちゃうから、明日追加で買って来てよ」


「ですよね~……わかりました」


あすかは苦笑しながら頷く。


その時だった。


「ヤンさんに無事ですよって報告もしないといけないッスからね」


大和が何気なく口を開く。


「大和!!バカ!!」


「あ……」


大和は固まる。


その瞬間。

全員が大和とあすかの方を見る。


「……ん?無事?」


真人は首を傾げた。


「どういうことや?」


志帆もじっと2人を見る。


あすかと大和は顔を引きつらせる。


「アハハハハ……」


2人は笑ってごまかした。


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