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ほほえみデンタルクリニック、異世界で開業しました  作者: ポン吉
第8章『ほほえみデンタル、主食を探して』

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07.白穀を求めて

白穀。

米に似ているかもしれない食べ物。

しかし、魔力を帯びているらしい。

自分たちが食べてもいいのかどうかもわからない。


「……………」


「……………」


あすかと大和は腕を組み、首を傾げたり、天井を見たりしていた。


(白穀………米なら食べたい)


あすかは腕を組んだまま考える。


(食べても問題ないなら食べてみたい……)


大和も真面目な顔で考え込む。


(魔力を宿した穀物かぁ……え、魔力があるわけのないただの日本人が食べて平気なのか?)


2人は同時に黙り込んだ。

ヤンとアンナは顔を見合わせる。


「………よっぽどコメが大事なんだね」


アンナが少し引いた顔で呟く。

ヤンは眼鏡を軽く押し上げた。


「………どうしますか?もし購入を検討しているのであれば、量は少ないですが、白穀を取り扱っている商会をご案内しますよ?」


その言葉を聞いた瞬間、あすかと大和は同時に正面を向いた。


「と……とりあえず、実物を見てみたいです」


「そ、そうっすね!!同じとは限らないっスから」


ヤンは短く頷く。


「では、その商会に行きましょうか」


「いってらっしゃ~い」


アンナは手を振って3人を見送る。

あすかと大和はアンナへお辞儀をして応接室を出た。


そのままヤンに案内され、商業ギルド本部をあとにする。

街の中を少し歩きながら、あすかは隣の大和を見る。


「ねぇ」


「なんスか?」


「もし本当に米っぽかったらどうする?」


「買うしかないっスよね」


「でも魔力穀物よ?」


「そこなんスよねぇ……」


2人は同時に悩ましそうな顔をする。

米に似たもの。

しかし、普通の食べ物ではない可能性が高い。


「副院長あたりに先に相談したほうがいいっスかね?」


「う~ん……でも現物見ないとなんとも……」


あすかは考え込みながら歩く。

ヤンはそんな2人の会話を聞きながらも、特に口を挟まず前を歩いていた。


しばらく歩くと、通りの一角にある商会へ到着する。


「こちらです」


ヤンに連れられてやってきた商会。

石造りのそれなりの大きさの建物だった。

入り口もしっかりしている。

看板も立派だ。

人の出入りもそれなりにある。


「ここに白穀が………」


あすかが建物を見上げながら呟く。

ヤンはそのまま商会の中へ入っていった。

あすかと大和も慌てて続く。


「すみません。ヤンですが、会長いますか?」


商会に足を運び、ヤンが中にいる職員へ声をかける。

職員はすぐに笑顔になった。


「ヤンさん。お久しぶりです。今呼んできますね」


そう言うと、そのまま奥へ消えていく。

その様子を見ながら、大和が小声で呟いた。


「あすかさん……ふっつ~~にアポなしで来ちゃましたけど……」


「それでだけ顔なじみなんでしょ?……多分」


ヤンの後ろで、2人はひそひそと話す。

言われるままについてきた。

けれど、よくよく考えればアポなしで来るのは失礼に当たるのでは?とも思う。


「大丈夫ですよ。ここの会長とは幼馴染なんで」


ヤンは振り返らずに答える。


(いやぁ……親しき中にも礼儀ありでは?)


2人は同時に思う。


「あいつも突然くるので……お互い様ですよ」


「あ、そうですか……」


「そういう感じなんですね……」


会長とヤンがそれでよいというなら、部外者であるあすかと大和は何も考えないことにした。

ここにきてから、なにも考えないようにすることが増えたなぁ……と思うあすかと大和であった。

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