表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ほほえみデンタルクリニック、異世界で開業しました  作者: ポン吉
第8章『ほほえみデンタル、主食を探して』

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
70/82

04. アンナの仕事

アンナに抱き着いたまま、あすかと大和は固まっていた。

アンナは困ったような顔をしながらも、ひたすら2人の頭を撫でている。


「はいはい。落ち着きなって」


「うぅ……アンナさぁん……」


「主食がぁ……」


「うんうん」


アンナはとりあえず相槌を打ちながら頭を撫で続ける。

周囲を歩く人たちも、何事だろうとちらちら見ていた。

そんな中、先に落ち着きを取り戻したのはあすかだった。


「……ふぅ……すみません。アンナさん」


謝りつつ、あすかはアンナから離れる。


「うん。落ち着いたならいいけど」


アンナは苦笑しながら返す。

あすかは一度深呼吸をしてから、横を見る。


「はい。落ち着きました。………大和!!あんたはいつまで引っ付いてんの!!」


次の瞬間、あすかのチョップが大和の頭へ炸裂する。


「ぐふっ!!痛いっス!!」


「わたしの手の方が痛い!!」


大和は頭を押さえながらしゃがみ込む。

しかし、数秒後にはケロッと立ち上がった。


「……あ、アンナさん落ち着いたッス。ありがとうございます」


「あ…うん」


アンナは若干戸惑いながら返事をする。

さっきまで抱き着いていた本人とは思えない切り替えの早さだった。

あすかは軽く咳払いをする。


「商業ギルドで聞きたいことがあって」


「さ、行きましょう。商業ギルドに」


「う……うん。わかったよ」


アンナは2人に言われるがまま歩き出す。

そのまま3人で通りを進んでいく。

あすかは、受付のお姉さんからもらった地図を開いた。


「えっと……地図だとこっち?」


「こっちじゃないっスか?」


2人は地図を見ながら首を傾げる。

しかし、アンナは少し呆れた顔をした。


「………あんたたち。あたしは商業ギルドの人間だよ。2人に案内してもらわなくてもわかるよ」


「あ」


「そうでした」


2人は同時に声を上げる。

アンナはため息をつく。


「連れて行ってください!アンナ姐さん!」


「まったく」


アンナは呆れながらも、そのまま2人を連れて商業ギルドへ向かう。

歩きながら、あすかがアンナを見る。


「アンナさんはどうしてここに?」


「あぁ……今日はここら辺の視察だよ」


「視察……?」


大和が不思議そうに首を傾げる。


「ここら辺は屋台とか食事するところが多いからね。食品の管理とかちゃんとしているか……抜き打ちのチェックだよ。全部じゃなくてランダムにね」


「へぇ~……」


「なるほどっス」


保健所みたいなこともするんだ~と2人は感心した。

商業ギルドというと、物を売ったり買ったりするだけの場所だと思っていた。

しかし、食品管理まで関わっているらしい。

通りを見れば、確かに屋台や食事処が多い。

焼いた肉の香り。

甘い匂い。

香辛料の香り。

いろんな匂いが混ざって漂っていた。

アンナはその様子を見ながら歩いていく。


「変な食材使ってないかとか、腐ったものを出してないかとか、そういうのも確認するんだよ」


「ちゃんとそういう管理あるんですねぇ」


「そりゃあるよ。食中毒なんか出たら大変だからね」


アンナは当たり前のように返す。

あすかと大和は顔を見合わせる。


「なんか思ったよりしっかりしてるっスね」


「あんたたち、商業ギルドをなんだと思ってたんだい」


「えっと……」


「商人がワイワイしてる場所?」


「だいたい合ってるけど違うねぇ……」


アンナは呆れながら笑う。

そのまま少し歩くと、通りの先に大きめの建物が見えてきた。

出入りする人も多い。

荷物を抱えた者。

帳簿らしきものを持った者。

商談中らしい者。

さまざまな人が行き交っている。


「あれが商業ギルドだよ」


「おぉ~……」


「なんか人多いっスね」


「そりゃ商売の中心みたいなところだからね」


アンナはその建物を見ながら言う。

そして、ふと思い出したように口を開く。


「あんたたちの探してる……コメ??だったかい?……見つかるといいね」


「はい!!」


あすかは即答する。


「本当に……米がないのは死活問題」


大和も真剣な顔でうなずく。

アンナはそんな2人を見て、小さく笑った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ