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ほほえみデンタルクリニック、異世界で開業しました  作者: ポン吉
第7章『ほほえみデンタル、改正のお知らせ』

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06.白米危機

1時間弱に及ぶ説明動画の視聴はおわった。

待合室にはしばらく静かな空気が流れていた。

テーブルの上には食べ終わった皿や、すっかり冷めてしまった料理が並んでいる。


「う~ん……今回の改正はこうなんていうか……」


真人が腕を組みながら口を開く。


「難解なものは少なかったね」


志帆がそのまま続ける。


動画は概要なだけで全体ルールの把握は告示と通知を見ないとわからない。


「でも、あいまいだったルールを明確にしたとかありましたね」


大地が画面を見ながら言う。


「届出に関しては……そもそも異世界なので出せるかどうか怪しいのですが……」


直樹が眼鏡を上げながらつぶやく。


真人はその言葉にうなずく。


日本にいたときは関東信越厚生局に提出すればよかった。

しかし、今は異世界だった。


異世界に厚生局があるとは思えない。


オンラインで届出を提出できるものもあるが、オンラインで出せたとしても同じである。


本当に提出ができるのか。


オンライン資格確認が使える謎はあるが、もうそれはそういうものだとして考えないことにしている。


(資格確認が使えるから……もしかしたらできるのかもしれないけど……。いやいやたらればは考えないようにしよう)


真人は目をつむり一人うなずく。

そして、すっかり冷めてしまった料理に箸を運ぶ。


「うん。冷めちゃったけどおいしい」


真人が唐揚げを食べながら言う。


「は~食った食った………。お腹いっぱいっス」


大和が満足そうに椅子へ寄りかかる。


「あんた……ずっと食べてたわね」


陽菜が呆れたように言う。


「ちゃんと動画もみてました~」


大和がそのまま返す。


陽菜はハイハイっと軽く返事をする。


「信じてないっスね~」


大和が抗議する。


その横で、直樹はTVの電源を切り食事をとる。


「おいしい食事をとれることに感謝しないとね」


真人が味噌汁を飲みながら言う。


「そうそう。日々感謝ッス」


大和も大きくうなずく。


「………それはそうと、院長」


智子が真人を見る。


「なに?」


真人も智子を見る。


「残念なお知らせが」


智子が真人の方に体を向ける。


「………お米が底をつきました」


白米が底をつきた?


一瞬、待合室の空気が止まる。


「えぇぇぇぇえええ!!!」


全員が声を上げる。


「はい。とうとうなくなりました。明日からの主食はなしです」


智子が静かに告げる。


「大和くん、あすかくん!!」


真人が勢いよく二人を見る。


「はい!」


「はい!」


大和とあすかが同時に返事をする。


「明日、2人は歯科医院の仕事をお休みして冒険者ギルドの方へ!米に代わる主食を必ず手に入れてくるように!」


真人がそのまま指示を出す。


「アイアイサ~」


「合点!!」


大和とあすかは勢いよく返事をする。


待合室には再び慌ただしい空気が広がっていた。

次章

第8章 『ほほえみデンタル、主食を探して』は、

5月26日 (火)17時より投稿を開始します。


どうぞ、お楽しみに。

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