05.続く改定確認
診療報酬改定の概要動画の視聴はまだ続いている。
待合室には動画の音声と、時折食器の触れる音だけが響いていた。
机の上にはまだ唐揚げや味噌汁が並んでいる。
しかし、最初と比べると全員の箸の動きはゆっくりになっていた。
画面には訪問診療に関する内容が映し出される。
続いて、口腔機能管理に関する内容の説明へ移っていく。
「SPTとP重防はなくなって、歯周病継続支援治療にかわるんだね」
智子が画面を見ながら口を開く。
「点数はなんか間を取った感じですね……」
陽菜も続ける。
「こまかいルールは告示と通知見ないとね」
あすかがそのまま言う。
「口管強の届け出なかったら基本3か月に1回みたいだね」
智子は腕を組む。
現行も基本3か月に1回のルールは同じ。
歯周外科手術をした患者などの例外的ケースを除いて。
新しいルールも現行のルールと内容はかわらないが例外ケースが増えている。
「イロハニホヘトのトの『地域歯科診療支援病院歯科再診料を算定した患者であって』の例外ルールは病院だから関係ないとして、イ~ホねぇ……」
智子が動画を見ながら呟く。
「歯周外科の患者や侵襲性の患者は出てくるケースはあるだろうけど……。全身的な疾患の状態により歯周病の病状に大きく影響を与えるとか、糖尿病の状態により、歯周病が重症化するおそれのある患者や全身的な疾患の状態により歯周外科手術が実施できない患者は……」
志帆が腕を組みながら続ける。
「この世界にそういう病気の概念があるかわからないからねぇ……」
真人が苦笑しながら言う。
「無難に全患者3か月に1回で管理していく方がいいでしょうか?」
智子が真人を見る。
「う~ん……まあ、基本ルールが3か月に1回だから、例外ケースが来たときはその時に考えようか」
真人が返す。
その言葉に、智子をはじめとした衛生士たちは頷く。
大和は相変わらず口をもごもごさせながら頷いていた。
「栄養サポートですけど、『歯科医師の指示を受けた歯科衛生士が』ってありますが、これは衛生士単独でもOKってことですか?」
あすかが画面を見ながら口を開く。
「う~ん………そこらへんは疑義が出るんじゃない?それ待ちで」
真人が返す。
「は~い」
あすかはそのまま頷く。
「医療DXなくなって『電子的歯科診療情報連携体制整備加算』になるんやね……」
志帆が動画を見ながら言う。
「う~ん……日本にいるときは出そうと思ったけど……こっちでオンラインでレセプト請求できるか不明だからね……。ちょっと保留。仮に今出せたとしても、新しい届け出で出し直し必要だろうし。施設基準はレセプト以外満たしてるから……うん」
真人は腕を組み見上げる。
(そもそも……改正の勉強しても、カルテが改正の点数で入力できるようになるのかな?)
真人は画面を見ながら考える。
「あ~……せっかくの料理が冷めちゃう……」
真人は料理を見て口に運ぶ。
その耳と目はしっかり動画に集中させている。




