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ほほえみデンタルクリニック、異世界で開業しました  作者: ポン吉
第6章『ほほえみデンタル、日常と非日常』

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04.突然の来院者

レントゲン室の扉が開き、美里が満足した様子で外へ出てくる。


「いやぁ……満足のいく画角で撮影してもらいました」


その後ろから真人が続き、肩を落としたまま言う。


「時間かかった……」


さらに直樹も出てきて、短く息を吐く。


「まさかこんなにかかるとは………」


三人の様子を見た受付のスタッフは、顔を見合わせて苦笑いを浮かべる。


大地がそのまま声をかける。


「………お疲れ様です」


つむぎがカウンターの奥から顔を出す。


「ごはんありますけど……食べますか?」


美里がすぐに手を上げるように返す。


「たべる~」


直樹も軽く頭を下げる。


「いただきます」


真人が顔を上げて志帆を見る。


「今日のご飯はなに?」


志帆は一度だけ考えるように間を置いてから答える。


「えっと…………。豚の生姜焼きや」


その言葉を聞いた瞬間、真人の声が弾む。


「やった!!生姜焼き大好き!!」


真人はそのまま直樹と美里へ視線を向け、三人で受付を離れる。

裏手にある琴吹家へ向かい、そのまま扉の向こうへ消えていく。


三人の姿が見えなくなると、クリニックの中ではすぐに次の準備へと動きが切り替わる。


ゆかがカウンターの前で腕を組みながら、ぽつりと呟く。


「………う~ん……特に問題なく今日が終わればいいかな?」


その言葉に、つむぎがすぐ反応する。


「そういうの口に出さない方がいいですよ」


すずも続ける。


「そうですよ……」


ゆかは軽く笑って肩をすくめる。


「ごめんごめん。まぁ、でもそんなすぐ問題なんて起きないって」


つむぎはすぐに返す。


「いや、それこそフラグ」


受付の中では、それぞれが持ち場に戻りながら準備を進めていく。

器具の位置を確認し、帳票を揃え、次に来る動きを頭の中でなぞる。

冗談を言い合いながらも、手は止まらない。


そんな平和な午後。


入口の扉が勢いよく開く。


一人の女性が、子どもを抱えたまま中へ飛び込んでくる。


「すみません!!!子どもが!!子どもが歯をぶつけて!!!」


声がそのまま受付へ届く。

準備していた手が止まり、視線が一斉に入口へ向く。


智子がすぐに前へ出る。


「大地先生。子どもが歯をぶつけたらしいです」


呼ばれた大地はすぐに動く。


「わかりました」


大地は女性から子どもを受け取り、そのままチェアへと運ぶ。

女性もその後を追うようにして診療室へ入っていく。


チェアの上に子どもを寝かせ、大地は体の向きと頭の位置を整える。

視線を口元へ向け、続けて全体の様子を確認する。


そのまま後ろにいる女性へ向き直る。


女性が息を整えながら口を開く。


「あ……すみません。……夫が歯に関係するクリニックができたって聞いて……」


すずが思わず声を出す。


「夫?」


女性は姿勢を正す。


「……申し遅れました。わたくし医療ギルドギルドマスターサムの妻の、マリアです」


すずの声が一気に上がる。


「つまぁ!?」


ゆかも思わず続ける。


「サムさん結婚してたの!?」


マリアは口元に手を当て、ゆっくりと笑う。


「おほほほほ」

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