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ほほえみデンタルクリニック、異世界で開業しました  作者: ポン吉
第15章『ほほえみデンタル、広がる治療と変わらない想い』

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05.いつものほほえみデンタル

「ただいま~」


「戻りました」


医療ギルドでの説明を終え、真人と直樹がほほえみデンタルへ帰ってきた。

受付ではしおりとゆかが対応していた。

真人たちの声を聞いたしおりが、受付から顔を上げる。


「おかえりなさ~い。どうでしたか?」


「ん~~。大丈夫だったよ」


「えぇ、補綴物については理解をしてくれたと思います」


直樹も真人に続いて答えた。

今回、医療ギルドでは補綴物について説明を行ってきた。

サムをはじめ、集まっていた職員たちも資料を見ながら熱心に話を聞いていた。

途中でいくつか質問も出たが、それぞれの補綴物がどのような目的で使用されるのかについては伝えることができた。


「あとは、実物を見てってところだね」


「まぁ、ですよね~」


しおりも頷いた。

資料には写真が載っているものの、実際にどのようなものなのかは、現物を見てもらう方が分かりやすい。

ゆかも会話に加わる。


「まぁ、出来ることが増えたってだけでもいいですよね」


「うん。少しだけ安心したよね」


真人は笑いながら答えた。

これまで技工物を頼むことができず、治療の選択肢が限られていた。

しかし、今回からは必要に応じて製作を依頼することができる。

今後、実際にどのような患者に使用することになるのかは分からないが、少なくとも以前より対応できる治療が増えたことは確かだった。

真人は受付の様子を見ながら、ゆかとしおりに尋ねる。


「こっちは大丈夫だった?」


「問題なしです」


ゆかはすぐに答えた。

しおりも続けて口を開く。


「大地先生とあすか先生が明日の準備のため、ミーティングルームを占拠しているくらいです」


「占拠……」


直樹がしおりの言葉を繰り返した。


「言い方よ……」


真人も思わず突っ込む。

明日から訪問診療が始まるため、大地とあすかが準備をしていることは分かっていた。

しおりの言い方では、まるで何か別のことをしているようにも聞こえる。

そんな会話をしているところへ、診療室から智子がやってきた。


「問題なさそうでしたよ。しっかり道具のチェックと、書類のチェックを入念にしてました」


智子は大地とあすかの様子について報告した。

2人は訪問診療に必要な道具を確認したあと、持参する書類についても一つずつチェックしていた。

初めての訪問診療に備え、準備を進めているところだった。


「あの二人だし大丈夫だと思ってるけど……」


真人も頷いた。

大地とあすかは日本にいた頃から訪問診療に携わっている。

2人とも経験があり、訪問診療そのものについては慣れている。

ただし、今回は日本ではなく異世界での訪問診療となる。


「まぁ、それでも慣れない土地ってこともあって、かなり緊張はしていましたけどね」


「それは……そうですよね」


直樹も智子の言葉に頷いた。

訪問先がどのような場所なのかも、実際に行ってみなければ分からない。

日本での経験があるからといって、すべて同じように進められるとは限らなかった。

智子はそんな2人のことを考えながら、明日の朝食について話し始めた。


「明日の朝ごはんは、ガツンとしたものにしてあげようかなって思ってます」


「初めての訪問診療で力が入らなかったら困るもんね」


真人は頷いた。

明日は大地とあすかにとって、異世界で初めての訪問診療になる。

しっかり食事を取ってから向かってもらいたいという智子の考えに、真人も賛成だった。

その話を聞いていたしおりが、すぐに反応する。


「う~~ん。明日の朝ごはん楽しみ」


しおりは明日の朝食を想像しながら、つばを飲み込んだ。

その様子を見ていたゆかが声をかける。


「しおりさん……」


「だって~……」


しおりはゆかの方を見ながら答えた。

智子がガツンとした朝食を用意すると聞けば、どのような料理が出てくるのか気になる。

大地とあすかのための朝食という話だったが、しおりはすっかり自分の朝食を楽しみにしていた。

智子はそんなやり取りを見ながら笑った。


「みんなの期待に応えられるように頑張りますよ」


真人も笑いながら、診療の状況を確認する。


「午前診療ももうすぐ終わるよね?」


「お昼の準備はできていますよ」


智子が答えた。

その言葉を聞いた途端、真人のお腹が鳴った。

真人は思わずお腹を押さえる。


「うう……いっぱい話したからお腹が……」


医療ギルドでは、補綴物の説明に時間を使っていた。

それぞれの補綴物の特徴や治療の手順についても話してきたため、真人もすっかりお腹が空いていた。

ゆかはそんな真人を見ながら、現在の診療状況を伝えた。


「あと患者さん2人だけです………」


「順調そうだね~」


真人は笑いながら答えた。

受付では、しおりとゆかが引き続き対応を進めている。

智子も診療室の様子を確認しながら、真人たちと話をしていた。

真人と直樹が医療ギルドへ行っている間も、ほほえみデンタルではいつも通り診療が進んでいた。


いつもご来院ありがとうございます。

ほほえみデンタルクリニックです。


【次回診療予定】

次回の診療は10月24日(土)17時を予定しております。

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